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自分なりに頑張ったと思う作品集

この満天の星空を君と

作者: 矢田こうじ
掲載日:2016/09/27

「今日は新月だから、星空を見に行こう」

そういって君を山奥に連れて行こうとしたけど、道に迷ってしまった。


ここは山々の谷間。

空を見上げても、木が多すぎて何も見えない。


「もういいよ、帰ろうよ」

そう言って、僕の失敗を気にしないように振る舞ってくれる。


昔、小学校の頃に見た、降り注ぐような星空を君に見せたい。

満天の星空、というに値する空を。

折角の新月、星を見る絶好の機会なのにそれを見せることができない。


だから僕はいやだった。

でも夜の山はなにか怖い。

残念だけど、帰ることにした。


でも、帰り道に少し開けた場所を見つけた。


「ここでいいんじゃない?」

そう言ってくれたので、少し休む。


空を見上げると、星がいっぱいだった。

これもきれいだ。


でも、降り注ぐような星空じゃない。


「綺麗だけど、こんなんじゃないんだ」

僕はそれがどれだけすごいか、もう一度君に説明する。

ここは街に近い。

街の明かりが、近くの外灯が、星の光を僕たちに届かせない。


「場所も場所だし、こういうのは冬のほうがいいんじゃない?」

君は星空を見ながら、笑顔でそう答える。

「十分綺麗だよ」

見上げたまま、そう言ってくれる。


確かにそうかもしれないけど。


星座がわからないほど敷き詰められた輝き。

指であれだよと指しても、どれを教えたいのかわからないような星の数を。

天の川ってすごいね、と言えるような星々の流れを見せたい。


また、もう一度、来よう。

そして君に見せるんだ。

降り注ぐような星空を一緒に。


「そう思ってたんだけど」

僕は皿洗いをしながらつぶやく。


「次、お風呂の掃除お願いね」

お腹の大きくなった君が言う。


来月には、僕たちの星が生まれる。

僕たちに満点の笑顔を見せる、そんな星が。


きれいなものを書こうと思ってかきました。

いかがでしょうか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 綺麗な星空を心で見ることが出来ました。 星蝕、という言葉を思い出したのも久しぶりです。 優しい、素敵なお話をありがとうございます。
[一言] ロマンチックな流れから、ほっこりとした結末。 良かったです。
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