8/13
(赤の恋心)
(赤の恋心)
空子が、黒田洋の過去を
言い終わった時、胸が
キュンとするのを、自覚していた。
あまりにかわいそうな、黒田くん。
私だったら、耐えられない。
絶対、生きるのがイヤになって
いるわ、そんなの。
私のこの気持ちは、好きっていう
恋心だったのね。
私も、ちゃんと男子のことを
好きになれるんだって、思ったら
さっきまで、泣いていた顔が
急に恥ずかしくなって
赤くなっていた。
そうして、赤川洋子はこの気持ちを
大切にしようと、心にきめたのだった。
洋子は空子に向かって
決心を、言った。
「私、わたし、恋愛に臆病だったし
未熟だったけど、この黒田くんを
好きって思う、気持ちは
誰にも負けたくない。
負けたくないの。
空子ちゃん、私のこと
応援して。」
空子は
「まあ、そう言うなら。」と
心よく、言ってくれたのだった。
恋愛にトラウマのある、黒田洋と
男子が苦手な、赤川洋子の
不器用な、恋愛が、始まろうとする
6月下旬であった。