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(緑が話す真実)

「彼が、今みたいになったのは

 小学6年に、ある事件があったんだけど

 それは、ちょっとあまりにも

 洋子が、聞くに耐えれるか

 心配だけど、それでも知りたい?」と


空子は、洋子の覚悟を

聞かない訳には、いかなかった。

そして洋子は


「わたし、ここまでの話しを

 聞いて、もっともっと黒田くんのことを

 知りたいと、思ったし

 今の話しだと、ある事件が

 黒田くんを、今のような性格に

 変えたと、いうことは

 わかるわ。私

 その話しを、聞いてどうなるかわかんない。

 だけど、黒田くんを嫌いには

 絶対ならないと、思うの。

 だから、話して空子ちゃん。

 私、どうしても、そのある

 事件が、知りたいの。

 お願い。」


空子は、そう答えられたとき

洋子が、その気なら

話しの、続きをするしかないと

思ったので


「じゃあ、続けて話すから

 きちんと聞いて、あの事を。」

「あれは小学6年の、秋のこと

 だったと、思うの。

 あの時は、たまたま放課後

 学校の、校舎の裏の方で

 私と、もうひとりの、友達と

 遊んでいたの。

 そうしたらさ、彼が

 黒田洋が、森本かおりって子と

 何か話そうと、してるところをたまたま

 見てしまったの。

 それは、黒田洋が

 好きです、付き合って下さい、と

 かおりって子に、言っている

 ところだったわ。

 まあ、それはそういう告白と

 いうのは、普通にある

 珍しいことでも、ひんぱんに

 あることでも、なかったけど。

 とにかく彼が、コクってたの。

 それは、普通だったけど

 そのあとが、そのかおりって子が

 ちょっとというか、あまりにも大胆というか

 失礼というか、ひどすぎるんじゃないの?と

 思うほどのことを、言って

 いたけど、今思うと、さすがに

 黒田洋が、かわいそすぎるとしか

 言い様がないわ。」


そこで一回、言葉を切って

少し、()をおいた。


その間に

持たなくなった、赤川洋子は

質問した。


「その振られた時の、内容というか

 言葉は、覚えてるの

 空子ちゃん?」と


(せつ)なそうに、ちょっと

うるうるしながら

空子の、顔をまじまじと

見つめていた。


空子は


「えっと」と


言いながら、思い返していた。

そして


「そうそう、黒田洋は振られた

 あと、そんなって言って

 そのあとは、絶句して

 おお泣きしながら、走って

 帰っていったわ。」


「ちがう、ちがう、そのかおりって子が

 黒田くんに、なんてひどいことを

 言ってたか、知りたいの。」と


洋子は、黒田洋のことを気がかりと

いうか、そんなひどいことが

あったんだ、黒田くんて。

私、わたし、彼だったら

私のこの性格も、この気持ちも

男の人が、苦手なところも

絶対、わかってくれるはずと

確信に、近い

思いに、かられていた。


洋子に、せがまれた、空子は


「わかった、言うから落ち着いて。」


「そのかおりって子は

 こう言ってたの。」


「前々から、思ってたけれど

 あんたみたいな、変態に

 そんなこと、言われたくないわ。

 頭も悪いし、顔もブサイクのうえに

 エッチなことしか、頭にないような

 あんたなんて、一生誰も

 女の子は、相手してくれるはずもないわ。

 バッカじゃないの?

 欠点しかないような、あんたなんて

 嫌いだし。

 これからも、ずっと

 嫌いよ。

 わかったら、とっと

 家に帰って、ウジウジ

 してれば、いいわ。」と


空子は、何の

感情も、こめず

淡々(たんたん)と、言った。


それを、聞いてしまった、洋子は

「ひどい、いくらなんでも

 6年間、想い続けてくれた人に

 そんなこと言うなんて。

 かおりって子、なんてひどい人なの。

 それじゃ、黒田くんが

 あまりにも、可哀想(かわいそう)だよ。」と


洋子は、大粒の涙を

目にためて、そして


「かわいそう」と


言って、泣き出した。

空子は、やっぱり

こうなるんじゃないかと

思ってたから、本当は

ずっと、心のうちに

しまっていようと、思ってたことなんだけど

もう、話してしまったことには

仕方ない、洋子のことを

あとは、なぐさめつつ

泣き止むのを、待つしかないと

思っていた。


でも、もしかしたら

これで、黒田洋のことを

話したことで、赤川洋子が

男子恐怖症が、なおるというか

多少は、良くなるんじゃないかとも

思う気持ちもあった。


「なんて、可哀想(かわいそう)な人がいるの。

 私、わたし…黒田くん。」


そう言って、泣き終わったときに


「私、多分…。」と


一言、言って言葉を切った。

そして、こう言葉を続けた。


「私、はっきりわかったの。

 私自身の、心にウソはつきたくないの。

 私、黒田くんのことを、好きに

 なったんだわ、きっと。

 この気持ちは、そうなんだわ。」と


きっぱりと、言って


「どうしたらいいと思う?

 空子ちゃん。」と


空子に、たずねた。


そう言われた時、空子は

洋子のことだから、同情は

するとは、思ったけど

まさかこんなに、キッパリと

好きになったと、言われると

戸惑(とまど)うしか、なかった。


でも、空子はすぐ落ち着いて


「洋子、本気で好きになったの?

 同情と、勘違(かんちが)いしてるなら

 止めといた方が、いいんじゃない。

 傷つくのは、洋子本人なんだから。」と


空子は、子供に言い聞かせるように

言った。




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