(緑の何かの告白)
3
草葉空子は、赤川洋子に向かって
こう切り出した。
「じゃあ 黒田洋のことを、話すから
心の、準備はいい?洋子。」
「もちろん ちゃんと、聞く気で
来たから、話して
空子ちゃん。」と
洋子は、言った。
空子は
「それじゃあ。」と
言って
「あれは、小学1年のときかな。」
「森本かおりって子が、いたの。
その子は、小学1年のときの初夏に
県外から、転校してきたの。
その子は、見た目にも可愛げが
あって、とても明るい
かなって、みんなに
おもわれるくらい、第一印象が
良かった子だったわ。」
「その子は、すぐにみんなと
打ちとけてしまったし
小学2年とか、3年になるにつれて
だんだんと、学校中の人気の女子に
なっていったわ。
そして、だいたい物心がつく
5年とか、6年のときはその子は
とても勝ち気で
非常に他人に対して
面倒見がよく、やさしくって
勉強も、できて
とっても、みんなに容姿も
可愛かったから
かわいいーって
誰もかれにも、言われてたわ。」
「あっそうそう、黒田洋はね
小学校の時はね、まあまあ明るく
どこにでもいる、男子だったわ。
女子とも普通に話していたし
小学校のときは、私とも
良く話していたわ。
それで黒田洋が、森本かおりって子に
転校してきた時に、一目惚れ
したこも 話してくれたし、本当に
好きなんだと、言って
そっかと思っていたわ。」
「私は、彼に友達以上の感情は
持ち合わせて、いなかったから
純粋に、上手くいいと
思いつつ、ライバルは、多いわよって
言ってあげたわ。
それと洋子には、言ってなかったけど
黒田洋とは、小学1年の時から
6年まで、同じクラスで
それで小学校の時は
仲が良かったの。
といっても、好きって対象には
私は、なれなかったけど。
中学校の時も、一緒なクラス
だったわ、彼とは。」
「彼はね、今ではそんな
面影は、ほとんど
無くなってしまったけど、あることがあって
それまでは、女子ともよくしゃべる
ある程度、明るい男の子だったわ。
そう、森本かおりって子に
恋して、6年間もずっと
好きでいられるほど、一途な
強い想いを、いだく男の子だったわ
彼は。」