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2(青の青春)


ユッキーこと 青山幸村(あおやまゆきむら)

黒田洋と前田亮の友達で

北高校 2年に通う

16才であった。


そんな青山は

「あの鳥は 自由だなー

 空を自由に 飛べて」

 などと、言ったりする

 空想好きで 詩的(してき)センスがあるような

 無いような 学生であった。


そして かなり内気で

人見知りがある 性格であったから

周りから 色々な 誤解(ごかい)を受ける

損な 役回(やくまわ)りの人格だった。


16才という 思春期

まっただ中にある 青山は

「自分なんて こんな性格だから

 仕方ないよ。」と


友人の 黒田洋と前田亮に

いつものように 言ったりするのだった。


青山はこの二人の

友人の前では 素直になれていたので

おとなしい性格といっても

とても 気のあう友人で

いれたのだった。


この二人の友人は 全部

自分のことを 分かってくれてると

思っていた。 

前田亮はとても さっぱりした性格を

していたし

黒田洋は 自分と似ている部分があると

敏感(びんかん)に (さと)っていたから

この先も ずっと友達でいられると

信じていた。



青山幸村も 黒田洋と 同じく

女の人なんてと 思っていたし

女子に相手にされない

自分を とても可哀想(かわいそう)な自分だという

気持ちも 持っていた。

と言っても 女性と付き合ったことが

ない訳では なかった。


青山が 高校1年の時の、1月の

はじめ位の時から 4月上旬まで

奇跡的に 付き合ってくれた

女性が いたのであった。


まあ、別れたきっかけは 青山が優柔不断で

不甲斐(ふがい)ないところばかり

付き合っているときは 見せていたので

相手の女性に 愛想(あいそう)つかされて

しまって 振られてしまって

いたのだった。

さすがに自分が 悪いとは

後々(のちのち) 思っていたのだった。


山井(やまい)もみじという その青山の

彼女になってくれた 女性は

青山よりも 年上の 20 才の社会人の

OLであった。


少しわがままな所 があったが

性格は おしとやかだった。

おしとやかだったが、ちょっとだけ

打算的な部分が、あるのが

欠点であった。

しかし それなりに美人というか

可愛いげがある 女性であった。


付き合っているときには いつも

「ユッキーって 優柔不断なんだから

 そんなんじゃダメよ。」と


言っては 微笑(ほほえ)んだり

困った顔を するときもあった。


この青山幸村と 山井もみじの

二人の出会いは 青山幸村が

中学1年の時に 近所に

山井もみじと その妹の 山井恵理(やまいえり)

引っ越して来たことから

ふとしたきっかけで 青山幸村は

山井もみじとだけ 仲良くなれたのだった。


妹の 山井恵理は 完全に青山幸村のことを

何故(なぜ)か嫌って 無視していた。


同じ中学1年生というのに そういう

態度(たいど)を とっていたのだった。

山井恵理は実は 夢見る少女だったのである。


そんなこんなで 青山幸村は

山井もみじに振られたときに

「自分ってなんて不幸なんだ。

 なんて女性運がないんだ。」と


ひとりの時は、そういうことばかり

思っていた。


そしてあんな花火のような

ドカンと咲いて サッと散ってしまった

恋愛など 出来るだけしたくないと

心に決めたのだった。 多分…


青山幸村と 山井もみじの別れ(ぎわ)

会話は こうだった。

「もうおしまいよ、別れましょ。

 ユッキーとじゃ わたし

 幸せになれる 自信がないの、お願いよ。

 別れましょ。」


ユッキーこと青山は ひたすら

「イヤだ。別れたくない。」と

ずっと別れるのを 嫌がって

そう言って 最後のほうでは

泣き出し それでも相手の 決心が

()るがないと悟った時は

大声で 泣き(くず)れてしまっていた。

「自分の、何がイケなかったんだー。」と


悲鳴(ひめい)にも ()た言葉を言ったのが

最後だった。

山井もみじは あきれてしまって

その場から 走り去って

しまっていた。


そういう破局(はきょく)のパターンを

青山幸村は 体験していたのだった。

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