第十五話~暴走~
「はああああああああああああああ!!!」
森の中に、アスカの声と銃声が響き渡る。
アスカは一人で戦っていた。もちろん、雪子の仇を討つためである。
「アイツはっ、どこ………?」
息を切らせながら辺りを見回す。どこをどう走ったかなんて、覚えていなかった。
大勢の敵が追いかけてくる。
アスカはそれを、次々に倒していった。
けれど、きりがない。
相手は絶え間なく撃ってくる。
「………っ、くそっ」
アスカは舌打ちをした。弾の数と体力には限度がある。いつまでもここでそれらを消費するわけにはいかない。
「必ず、アタシが………っ」
雪子の最期の顔を思い出す。自分は大量に血を流していたくせに、笑っていた。「泣かないで」と言って。
アスカは拳を握りしめる。銃を構え直した。
「雪子の仇、絶対とるからっ」
敵の集団に突っ込んでいく。弾が頭や腕を掠めても、全く気にしなかった。
敵が倒れていく。それに比例して、弾は減っていく。
相手の弾がアスカの脇腹に命中した。
「ぐっ………!」
アスカはうめいて、地に片膝をつく。それでも、撃つのはやめなかった。
傷口から血が流れる。敵の弾が頭を掠め、そこからも血が流れ出た。
「うっ………!」
脇腹に続いて肩にも銃弾が命中する。
持っていた銃が宙を舞い、数メートル先に落ちた。
アスカは地面に倒れこむ。
「………っ」
肩を押さえて、痛みに顔を歪める。
「………雪、子っ」
親友の名前を呼びながら、数メートル先の銃に手を伸ばした。届かない。
「ごめっ………」
アスカは唇を噛んだ。あと少し、あと少しなのに。
「………っ、雪子………っ」
アスカの意識は遠退いていった。
次回、お別れです。




