一話
だいぶ歩いただろうか。
光の射さない下水道の中で手のひらから出して足下をてらしている魔光球は変わりなく光っているが、足はだいぶ痺れてきていてだるい。
「おい。本当に修練所の地下に出れるのかよ?」
長いこと歩いているのに、一向に出口が見つからないことにフレイムが腹を立ててきた。
「間違いない。地下へ通じる道をやっと見つけたんだ」
俺たちが暮らしている魔法兵士修練所には秘密の地下がある。そこに何かが隠されてると思って俺たちはその地下に忍び込もうとしているのだが……。
「けっ、だいたい本当に珍しい物かなにかが手に入るんだろうな?」
……正直なところ何も無いかも知れない。
「それは、分からないけど隠してるってことは見せれない物があるんだろ。」
「ここが、地下に繋がってるってのも怪しいけどな」
確かにそうだ。地下水路を調べ修練所の地下に当たる場所に繋がってそうな扉を見つけたのは良いもののそれが修練所の地下に繋がってるとは限らない。
「お、 あったぞ」
変わりなく輝く魔光球の光に照らされて出てきたのは待ちに待った木製の扉だった。窓はなくただその存在だけが似合わない地下の水路の隅にずっしりとある。
「早く開けようぜ」
「おい、まてよ。 誰か居たらどうするんだ」
「そんな事言ってもラチあかねーだろ。 見つかったら逃げりゃあいい」
不安こそあるものの確認しなくちゃ始まらない。
魔光球を消し、恐る恐る扉を少し開ける。
どうも、薄暗いな。けれど目が見えないほどじゃない。それに、微かな重低音が絶えず鳴り響いている。
だが、人が居るような気配は感じない。胸の重みが降りる。
「よし、行くぞ」
扉を開けて中に入る。
「……なんだこれ?」
思わずそんな声が出てしまった。
目の前にあるのは、球体の鉄の塊だ。
球体の一部分だけガラスになっていて、中から青白い光がほのかに出ている。
それがずらっーと横一列に並んでいた。
中は水が入ってるようで……。
「……ッ!?」
困惑した。口から言葉が出てこない。
フレイムもその光景に今まで見たこと無いような驚きの表情を浮かべ絶句している。
水の中には、俺たちぐらいの14か15ぐらいの子供がうずくまって眠っていた。
コンテスト登録まで後一歩足りなかっ
た・・・orz