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Good by M N D

綾瀬の依頼によりAgainに追加編集を施しジャック第3話USBまで書き上げた文夫

綾瀬の次の行動は?

     「ちょと・・や・ヤバイかも」     

     市民病院のディールーム、スマホでジャックを読んでいた綾瀬逸美は

    足早に病室に向かった気をつけているつもりだったが、最後は小走りだ

    った。すれ違った女性看護師が怪訝な顔をしたが呼び止める事もできな

    い程、綾瀬には切迫した雰囲気があった。病室の一番奥、窓際のベッド

    はカーテンに閉ざされていた。勢い良くカーテンを開き

     「なーなー聞いて!下のロビィーに今ジョニーディップが来てるねん!」

     「え・マジで!」

    返ってきたのはカーテンの向こう側、中年女性の声だった。バタバタと音

    をたてて中年女性は病室を出て行った。

     綾瀬がカーテンを開けたベッドでは、左手にスマホを持った霞が天井を見

    上げて涙を流していた。彼女は右手の指先でネックレスのトップをいじって

    いた。ピンクゴールドとシルバーの小さなハート型のリングのトップを。

     {遅かったか}

     「読んだの?・・」     

    

     霞は中学校の時の美術部の後輩だ、中学の時はそれ程の付き合いではなかっ

    たが、高校を卒業してコンビニのバイトで再会した。互いに酒豪の二人はす

    ぐに意気投合し、よく二人で飲んだ。

     2月、体調を崩して入院した霞は肝臓癌だった病状はあまりおもわしくな

    い。ネックレスは見舞いに来た千尋が置いていった物だ。千尋と霞が話す

    (パン屋さん・ろくにゃん)に綾瀬はなんとなく文夫をイメージしていたが

    千尋から聞いたAgainを読んで確信した。(パン屋さん・ろくにゃん)は

    マスターだ。

    

     そっと霞のスマホを覗いて見る(ピンクゴールドとシルバー)の文面だ。

    溜息をついた綾瀬はしばらく言葉を失った。8階の病室の窓からは初夏の陽

    射しに照らされた町並みが遠くまで見渡せた。遥か遠くに白い塔が見える

    「本当は霞ちゃんの事好きやと思うでマスター」

    「めちゃめちゃ無理ありますよ!」

    「そーーやな!」

    「ジャックってまだまだ続くんですか?」

    「・・・・うんまだまだ続く!せやから霞も最後までちゃんと読んでや」

    「どーかな・・うちけっこうきついんです」

    「印税入ったら重粒子線治療して治そ、またマスターと(コイスルオトメ)

     歌うやろ!ジャックもまだまだこれからおもろなる霞ちゃん最後まで読ん

     でよ!!」

    「先輩・・スマホにろくにゃん宛てのメールが入ってるんです。うちが逝っ

     たら・・・」   

    「あほなこと言いな、うちそんなん知らんで、とにかくもうちょっとや

     がんばろ」

     

     一週間後、霞は逝った綾瀬は彼女のスマホから文夫にメッセージを送った

    「今度こそほんまにバイバイや、二人の事、ジャックの事、地獄から見守っ

     てる。さよなら」

     文夫の携帯のディスプレイにMNDフードの着信が光った。

    「?????」

    メールを読んだ文夫にはなんの事なのかさっぱり意味が分からなかった












 


  


 ちょっと短いけどジャック第5話です。こんなもんでどうだろう。

 綾瀬・・君は何処でどーしているのですか?とても気がかりです

 このあと第6話を綾瀬はどうもっていくのかな?

児島 文夫

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