ハデス様のお仕事と赤の結晶
私は家について、お風呂に入ったらそのまま寝てしまった。
起きたのはお昼頃だった。
寝起きでボーっとしてたら、ドアがノックされた。
ハデス様がまたピンクのエプロンをして立っていた。
「お昼の時間だけど、みんなと食べる?ここに持ってこようか?」
「大丈夫です。用意していきますね」
今日のご飯はBBQだった。
「昨日は疲れただろうから、いっぱい食べてね」
みんなもお肉をとってくれたり、すごく優しい。
みんなでワイワイとご飯を食べていると、ハデス様が隣にやって来た。
「エマ、僕の仕事の手伝いだけど、疲れていなければ明日からお願いしてもいいかな?」
「大丈夫ですよ。明日の朝ごはんの後でいいですか?」
「大丈夫だよ、仕事後の美味しいおやつも用意するからね」
やっぱりハデス様は優しいな。
次の日、美味しい朝ごはんを頂いた後、ハデス様の家の地下にある作業場に行く。
「セレーネ様の家には地下はないのに、ここにはあるんですね」
「セレーネは冥府に行く用事がないからね、正式な入口じゃないけど、仕事に必要なんだ」
え?冥府?
私が入ったらダメなやつ?心配そうな顔をしてたのか、ハデス様は私を安心させるように頭を撫でて。
「僕と一緒なら大丈夫だから、心配しないで」って言ってくれた。
ハデス様の作業場はどこかの工房のようだった。
大きな机の真ん中には見たことがある赤い石、両サイドには何かのパーツがある。
「あの石は満月の日にとった、愛の結晶ですか?」
「そうだよ、あれをランタンの中に入れて冥府の中を照らすんだよ。みんなが道を間違えないようにね」
作業場でハデス様がランタンのパーツを組み立てている。
「この真ん中に差し込むんだよ、そうした蓋を閉めて、ここをネジで閉めて。。。」
ハデス様は後ろから私を抱きしめるように手順を教えてくれたので、ドキドキしてしまった。
おやつの時間の前にできたランタンは10個。
「今日はここまでにして、おやつにしよう。その後は一緒に設置をしに行こうか」
「設置って冥府へ?」
「そうだよ、僕と一緒にいれば大丈夫って言ったでしょ、ケルちゃんも連れて行こうね」
おやつはハデス様が焼いてくれたマドレーヌだった。やっぱり美味しい。




