管理人トレーニング
「月の卵って。。。セレーネ様が産んだんですか?」
そんな卵は恐れ多くて管理なんかできない。
「鶏じゃあるまいし、卵なんか産まないわよ、人間の命みたいなものが卵になってるの」
もっとやばいやつだった。
「そんな難しい事じゃないのよ、卵の種はハデスが蒔くから、その後は勝手に卵が地中から出てくるの。役目を終えると勝手に消えるし。月の卵は満月の光を浴びてスクスク育つのよ」
人間の命って月の光で育つの?
「それなら、私は何をすればいいんですか?」
「ふふふ、じゃあこれから管理人トレーニングを始めます!ここにメモ帳があるから好きに使ってね」
トレーニング内容は至ってシンプルだった。
1. 満月の晩に他とは違う色の卵を見つけて、汚れを落としてよく拭く事。他の卵と同じ色になればOK。
2. 他の卵には触らない事。特にヒビが入っているもの。
3. 真っ黒な卵があったら、種蒔きをしてるハデスを呼ぶ事
4. ハデスの犬には注意
犬??
「犬がいるんですか?」
「ケルベロスって神話で聞いたことない?」
「え、顔が三つの??怖!」
「悪い子達じゃないのよ、ちょっとやんちゃなだけで」
神話では、むっちゃやばそうでしたけど。
「卵ってなんで拭いたらいいんですか?」
「そこら辺の布で適当に」
どの布??
「じゃあ、よろしくねー」
「え?これで終わりですか?なんか色々抜けている気がするのですが」
「大丈夫、大丈夫。わかんない事があったらハデスに聞いて。最初の満月は5日だから、日が暮れたら頂上に行って、日が登ったら終わりね。ダーリンが待ってるからじゃーねー」
と言った瞬間に消えてしまった。
絶対このトレーニングはダメな気がする。
短い章になってしまった。前とくっ付ければよかった。




