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月の女神セレーネ

ぶっちゃけていうと、不思議な女性は月の女神のセレーネ様だった。


神殿の前の彫像にそっくりだし、私の考えている事を瞬時に当てる。それでもまだ信用してきれてなかった私を瞬間移動させて、小さな村に連れてきた。


もう誘拐レベルなのだが、セレーネ様は気にしてないようだ。


「私は今日は誕生日で家族が待っているので、家に帰りたいのですが」


セレーネ様は目をぱちぱちさせて、


「もうお仕事する事になってるから、1年は帰れないわよ」


何故いつのまにかにそんな話に。


「大丈夫、ここで1年経っても、この場所以外では1秒もすぎないようにしたから、仕事が終わってから帰っても誕生日パーティーに間に合うわよ」


後数時間で始まるはずだったパーティーが1年後になってしまった。


このタイプの人は何を言っても無駄だろうと、エマは黙った。


諦めて周りを見回すと6軒の家と真ん中に井戸がある、こじんまりした村で、民家の後ろに大きな門があり、その奥に山の頂上に向う白い道があった。


「あなたの家はここ」


連れてこられたのは、白い壁に赤の屋根の家、門に続く道を挟んで反対側には白い壁に黒の屋根の家がある。


そのほかの家は、全て白い壁に緑の屋根。


赤の屋根の家のドアを開けると、キッチン、リビング、奥にベットルームとバスルームがある。


「可愛い、若草色のカーテンとか凄く好き」


「でしょー、私が家具とか選んだのよ」とセレーネ様はすごく嬉しそうだった。


「隣の家もデコレーションしたかったんだけど、ハデスがダメっていうから」


「ハデス様ですか?冥府の神の」


そんな人が隣に住んでいるのかと冷や汗が出るんですが。


「私ね。彼ができたんだけど、ここの仕事が忙しくて、デートも出来なくて。代わりの子を探してたの。そうしたら、あなたを見つけてね。変な男の匂いもしないし、それに凄く普通でいい。私の直感で決めたの、あなたならできるって」


「な。。何をですか?」


「月の卵の管理人」


はい?











セレーネさんを自由奔放な感じで書こうと思ったら、人の話を聞かない不思議ちゃんになってしまいました。エマは反対に流れに身を任せるタイプです。

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