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簡単で儲かるお仕事です

エマは至って普通の女の子である。


髪も目の色も王都では一般的な色。

顔は愛嬌があるが飛び抜けて美人ではない。

身長も体格も平均的。

まさに普通の見本のような女の子だ。


エマは自分でもそれをわかっているし、普通という事に満足していた。

だから、18歳の誕生日に王都をぶらぶら歩いていて、家族や友達以外に声をかけられるなんて夢にも思っていなかった。


だから、その人が肩をトントンと叩くまで後ろから聞こえていた声が自分に向けられてるなんて気がつきもしなかった。


「お姉さん、無視しないで。ちょっとお話ししたいんだけど」


エマがハッとして振り返ると、銀の髪を持つ綺麗な女の人がいた。


この国で崇拝されている月の女神セレーネみたいな人が私に何の用事があるのか?


「お姉さん、簡単でお金が儲かる仕事してみない?」


思いっきり詐欺っぽい仕事の勧誘だった。


「ま。。間に合ってます!!!!」


この世の中に簡単でお金が儲かる仕事なんて存在しない。こんな平凡な私でも奴隷として売り飛ばされるのかもしれない。怖くなって走って逃げようとしたら。


「ごめんごめん、言い方が悪かったね。怖がらせるつもりはなかったの。ちょっで良いから話を聞いてくれる?」


ますます怪しい感じの言い方で、今すぐにも逃げたかったが。何故か足が動かない。


そして自分の意思とは関係なく、その女性の方に近づいていき、近くのベンチに座ってお話しする事になってしまった。


足は動かないが、明らかに顔色が悪く震えている私を見て。


「大丈夫よ、どこかに奴隷として売り飛ばそうとは思ってないから」


何で私が考えていた事がわかるの?


「何で私があなたの考えている事がわかるかって?まあ私はそういう事ができるのよ。それであなたにすごく特別な仕事をお願いしたいの。勿論、それに対する報酬は十分に払うわよ」


夢だ、これは夢に違いない。


「夢じゃないわよ。ちょっと頬っぺたをつねってあげましょうか?」


ちゃんと痛かった。







なるべくエピソードを短くと思って書いていたのですが、途中からいきなり長くなったりします。文の切りどころがわからない。

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