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おじさん異世界に行く!  作者: カネキ
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第 十六 話 村に向かう!

 ゴンゾーラの街を出発した2台の馬車は南に進む。


「ところで、俺達の行くカラパ村ってのは、遠いのか?」

 俺達を村へ送る為にラウルが寄こした人が同じ馬車に乗っているので聞いてみた。

 寒村だっていうし、寂れているイメージはあるが、それ以外は知らないので、俺が場所なんか知る訳もない。


「そうですね、普通に行けば、明日には到着出来ると思いますよ」

 そうなのか?

「そんな離れてる訳でも近くでもないって事か。

 まあ、急ぐ事もないから、安全に行こうぜ」

「そうですね。

 ゴンゾーラ領は魔物の数も多いですから、注意して進みましょう。

 まあ、街道沿いを通れば、それほど危険ではないと思いますんで」

「そうかい?

 まあ、安全が一番だから注意して行こう」

 クレアに聞いた通り、ゴンゾーラ領は魔物の数が多いんだな。


「クレア、もし、魔物が現れても…… 俺が君を守る!」

 隣のクレアにキリッとして俺は言った。

「嬉しいわ、アキラ。

 私を守ってね」

 クレアが男らしい俺の手を握り言った。

 任せ

『奥様の方が強いブヒ』

 俺は、キッとオクルを睨む。

 全くもって余計な事を言いやがって。

 オクルの言葉は俺以外解らないからないので、無視。


「なあに、魔物が出てきても、私がいるからな!

 クレアの手を煩わせることもあるまい」

 御者の隣に座るソニアが言った。

 そんなむき出しの尻で座ってて痛くないのだろうか?

 俺は、心配なのでソニアのお尻を眺めてあげた。

 ああ心配だ、興奮する。

 おっと、あんまり見てると、クレアに気づかれる。

 まだ時間はあるんだ、ゆっくり楽しませてもらおう。


「ソニア、私は安心している。

 だって、傍に、こんなにも素敵な旦那様がいるんだから!」

「うひょっ」

 クレアが俺に抱きついてきた。

 美女たちとの旅。

 たまりませんな!

「次、見てたら指をへし折るわよ」

「……え?」

 抱きついてきたクレアが俺の耳元で囁いた。

 何を? など聞けないし、聞けるか!


 完全にバレている!


 一瞬、心臓が止まりそうになった。

 クレアが、俺から体を起こすと笑顔をくれた。


 こ、怖ぇ……


 クレアは、躊躇しない。

 コイツは、本当にやるから!



 妙に緊張感のある馬車の旅もゴンゾーラの街を出発して2時間くらい過ぎた。


「ちょっと休憩しよう。

 さっきから、おしっこしたくて、もう限界が近い」

 俺がおしっこが近い訳じゃ無いだろう?

 2時間もたってんだから。

『俺は、大きい方がしたいブヒ』

「うん、わざわざ言わなくて良いぞ、オクル」

 下品でかなわんな。

 俺の様に上品に出来ないものかね。


「アキラ、オクルは何て?」

「ああ、クレア。

 オクルは、う〇こ漏れそうって言っ」

「直ぐに馬車を止めろ!」

 クレアが焦って御者に叫んでいた。

 助かる。

 俺も本当に膀胱が限界だったから。


『アキラ様、酷いブヒ!

 誰も漏れそうなんて言ってないブヒ!』

「オクル、馬車が停まった。

 俺は限界だから、先に行くぞ」

 オクルが何か言ってたが、俺は無視してそそくさと馬車を降りる。

 内股でちょこちょこしながら急いだ。

 間に合え、俺の膀胱!


「ああ、気持ちに足がついていかない」

 街道脇の森に入り、焦りつつズボンを……


「間に合ってよかったぁ。


 あぁぁ……」

 かなり我慢しての放出、気持ちいぃ~~……

 大自然に俺の雫が勢いよく孤を描く。


ブリブリブリ……


 ん?

「……ああぁ」

 せっかく、人が気持ちよくおしっこしているのに聞こえたサウンド。

 俺も見なきゃいいのに。

 オクルが俺の斜め向かいの方、尻をこちらに向けて〇ンコしているのが見えた。

 ああ、もう……

 気づかなかったフリをして、静かに去ろう。


 何度か振って雫をきると、俺は、静かに。


パキィッ!


「はッ!」

 小枝を踏んで、折れた音が!

 ヤベッ!

『ア、アキラ様、そこで何を?!

 み、見ないで欲しいブヒ!』

 後ろに顔を向けたオクルと目が合った。

 てか、まだ出てるし!

 ウッ!

「オヴェエエエエ!!」

 

ブリブリブリーー!!


「見ないで欲しいブヒ!」

「オヴェエエエエ!!」

ブリブリブリーー!!

「恥ずかしいブヒ!」

「オヴェエエエエ!!」

ブリブリブリーー!!

「オヴェエエエエ!!」

ブリブリブリーー!!


 大自然に俺のゲロサウンドとオクルのクソサウンドが響き渡った。



ガタゴトガタゴト……


「休憩したハズなのに、二人とも疲れ切ってるわね。

 何かあったの?」

「……」

 クレアには悪いが、その質問には答えない。

 思い出すとまた吐きそうになる。


 精神的にダメージを受けた俺とオクルを乗せ、休憩を終えた馬車が進む。


 酷い目にあったぜ。

 まあ、オクルもそう思ってるだろうけど。

 もう、フラフラだ。

 綺麗な物でも見て、目をリセットしよう。


じっ。


「な、なに?」

 クレアが驚いた声を出した。

 俺が間近でクレアの顔を見ているからだ。

 ああ、目が癒される。

「やっぱ、クレアの方が綺麗だ」

「ちょ、ちょっと、何よ、急に突然」

 フフ、真っ赤になるクレアは可愛い。

『ウンコと比べるなんて奥様が可哀想ブヒ』

「……」

 確かに。



ガタンッ!


「うわっ!」

 突然馬車が大きく揺れた!

 バランスを崩しかけた俺の手をクレアが掴んでくれた。


「ふう。

 ありがと、クレア。

 ったく、荒い運転だな……」

 どうやら、馬車が急停車したみたいだったが、何かあったのか?

 まあ、何も無ければ急停車などしないだろうけど。


「おい、どうしッブッ!」

 前の方に顔を出したら、押し戻された。

「危ないから、中にいろ!

 魔物が現れたんだ!」

 ソニアが叫んだ。

 魔物。

「魔物だと!」

 見たいので、俺は前に出ると御者の横に座った。

「凄いぜ!」

 馬車を飛び降り、魔物に向かって走るソニアの上着が風でまくり上がり美しいお尻があらわになっている!

 これは、ちゃんと特等席で見物しなければ。


「ちょっと、アキラ大丈夫なの?」

「!」

 すかさず後ろを見ると、クレアが!

「クレア、来るんじゃない!

 危ないから!

 言ったろ、俺がクレアを守るって!」

 ゆっくりソニアのお尻を堪能できないだろう!

 オクルなんて、出てこようともしないで、声を殺して気配を消してるのに。

「……アキラ」

「本当に俺が危ない時は、クレアに助けを求めるからさ……

 フフ、少しは俺にカッコつけさせてくれ、クレア」

 俺は、鼻の頭を擦りながら照れくさそうに言った。

「……もう、強がっちゃって、バカなんだから……

 でも……

 うん。

 アキラ、私を守ってね!」

 クレアが俺に笑顔をくれて、馬車の中に避難してくれた。

 よし。

 見物続行だ。


「たまんねぇな」

 うへへ……

「ええ、素晴らしい」

 ん?

 隣を見ると、御者が笑顔でソニアの方を見ていた。

 うん。

 良い顔してるぜ!


「あのチラチラ見えるのがいいよな」

「ええ、しかも角度によっては、穿いてないみたいにみえますよね。

 穿いてるって解ってても興奮します」

 良いところに注目してるな。

「ああ、俺も同感だ」

 俺達は、キラキラとした少年のような瞳で目の前の尻、いや、戦いを観戦した。


「ソニアーー! 大丈夫か!」

 後方から剣を手にザコウが走ってきた。


「あっ、ああぁ」

 俺達は、頭を左右に振る。

 邪魔だ、ザコウ! ソニアの尻が見えないだろう!


「なんですか、あの人! 邪魔だなぁ」

「全くだ!」

 御者の意見に賛成だぜ!


「きゃああああぁぁ!」


 何事?!


「やったぜ!」

 ソニアが倒れて、お尻が丸見えだ!


「どうしたの?」

 ヤベッ!

「クレア、ダメだ!

 危ないから下がって!」

 来ちゃダメ!

 後ろに焦る! でも、前の尻を見たい!


「奥さん! 旦那さんを信じて!

 私もいますから、最後まで、見届けさせてあげてください!」

 御者?


「そ、そう?

 ……本当に危なかったら、呼ぶのよ」

「あ、ああ。 その時は、頼むからな、クレア」

 クレアが奥に行ってくれた。

 ホッとする俺が顔をあげると、御者、いや、同志が握手を求めていた。


「ああ!」

 固い股間の俺達は、固い握手を交わした。



「流石、アキラね。

 さっきは男らしかったゾ☆」

「わお」

 クレアがほっぺにキスをしてくれた。


 ラウルが引っ越しの手伝いに寄こしてくれた男達も馬車の中で怖い思いをしていたのか、ホッとした表情をしている。

  

 

 ソニアとザコウの活躍で魔物を退けたらしいが、ほぼソニアの尻だけを凝視していたので良く解らない。

 御者の同志が戦いが終わったといってたからな。

 間違いない、何せ奴は信用できる男。

 馬車に戻ってくるソニアの胸と股間を正面からまじまじと観察できたことに大満足なので、戦いが終わったとかどうでも良い事だ。

 ビキニっぽいので隠されてたけど、逆に中が見えない方が興奮するのかもな。

 クレアにもああいった衣装を一度着けてもらいたいものだ。


『誰も怪我してなくて良かったブヒ。

 でも、危なかったら、すかさず代わりに戦っていたけどブヒ。

 俺程になれば冒険者で魔物をどうにか出来ると判断出来るブヒ。

 だから、だからあえて戦いに参戦しなかったブヒ』

 聞いてないのに、オクルが馬車の中で隠れていた事を凄い言い訳している。


「クレア、君を守る特権は、誰にも渡さない。

 俺は、死ぬまで君を守るからね!」

「アキラ……」

 俺は、潤んだ瞳のクレアを抱きしめる。

 これ以上喋ったらボロが出そうだからな。

 強制的に会話、終了だ!


「アキラさん、魔物はどんなのでした?」

「最後、どうやって冒険者達は魔物を倒したんです?」

 目の前の二人が興奮して聞いてきた。

 魔物の襲撃が終わった事で、恐怖より、好奇心が出てきたのだろう。

 だが、俺は期待に応える事が出来ない。

 なぜなら!


「ソニアの尻を舐めるように観るのに忙しかったから、解らないよ」


 本当に解らないので正直に答えてあげた。

 そもそも、俺に聞くのが間違ってるんだ。

 聞くくらいなら、自分で観れば良いのに。

 俺は、そんな事をしているほど、暇じゃ無いっていうの。








ボキィィィイイイ!!



 街道にアキラの骨が折れる音が鳴り響いた。

自業自得を体現する主人公。

前向きな姿勢、見習いたいですね。

そんじゃ、次回も宜しくお願いします。


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