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ミアの秘密

 あれから三か月が過ぎたある朝。目が覚めて起きようとした時、またあの痛みと暑さが体を襲う。のたうち回る僕にあつしが気づきグレン達を呼んできてくれた。暴れる僕を見て


「何とかならないのか」

 二人は首を振り


「私達にも、どうする事もできないの」

 心配そうに見守る三人。今回は長かった。汗で体がベトベトだ。

 

 治まった所で色々確認してみる。手も足も伸びた。性別は……! 元に戻っている。小さくガッツポーズをする。グレンが近づき頭を撫でてキスをする。


「ん? 今回は随分伸びたな、もしかしたら……性別も変わったのかな?」

 その質問に飛び切りの笑顔で返した。グレンは大きなため息を吐く、残念そうだ。


「ケリー! 君は男だったのか」

 あつしが言う、こちらも残念そうだ。


「名前も思い出したよ。僕の名前はようじだ」


 ミアが着替えを持って来てくれた。いきなりベッドのまま頭を洗われた……ミア洗髪上手い! 気持ちがいい……これは……絶対にプロだ! 身体も拭いてもらってされるがまま着替えが終わる。


「俺の服しかないが仕方ないな、ようじだっけ? 君には少し大きいかな」

グレンは身長は190cmある。僕は180cmのはずだが‥‥‥。袖が余る。街で買って貰おう‥‥‥



 今日は仲間から情報をもらいに行く予定だ。帽子にマフラー、コンタクト、サングラス、これでバッチリだ。


「俺も行く」

 とあつしが僕たちの前に出て、静かに目を閉じる。すると髪が金髪に変わる。目を開けると瞳もブルーに変わっていた。


「この三か月何もしてなかったと思うか? 無くなった足が戻ったんだ、他に何か出来ないかやってみたら出来た。やれば出来るもんだな」

 と笑顔で言う。僕には出来ないけどね。


「どれ位保たせられる?」


「まだ、三~四時間って所かな?」


「急ごう」


 車に乗り込む。後部座席であつしと座る、改めてあつしの髪を見る……凄いなあ、グレンと同じだ。そんな事を思っている間に車は止まり、その場から降りた。


 しばらく歩いていつものカフェに来た。ここは僕が初めて来た場所だ。あれから刺激的な日々を送っている。


「ここのアップルパイ美味いんだよなー」

 あつしは満足そうに食べている。そうだ、ミアにも買って帰ろう。グレンに話すと注文してくれた。

テイクアウトのアップルパイが届くとグレンが席を立つ。


「帰ろう」

 そのまま車に乗り帰る。カフェに寄っただけだがよかったのかな?


「他に寄ってないけど大丈夫?」

 と聞いた。


「情報は貰ったよ」

 と右の小指を見せる。


「ここには仲間同士のチップが入っている」

 仲間? 家に帰るとグレンはテーブルに置かれた箱に指をかざす。


「……警察に見つかった。来訪者が連れて行かれた。すまない……シェルターを増やして欲しい……」

 それを聞いたグレンが言う。


「ここを出る」

 するとミアから荷物を渡される。


「ここでいいかしら」

 ミアがあのアップルパイの入れ物から地図を出し、印の付いた箇所に指を指す。そこにはニューヨークと書かれていた。


「えー! 俺達パスポートも何も持ってない、どうやって行くんだよ」


「簡単よ、こうするの」

 とミアが指を鳴らす。景色が変わった。ここは……知っている! セントラルパークだ! 驚く僕達より早くミアが歩き出す。道を渡ると大きなマンションに着いた。



「ここは別宅として使っている人が多いの。鍵はオールドタイプでカードだから、チップの入っていないあなた達でも入れるわ」

 

 カードをかざして入る。エレベーターで最上階まで行くと部屋のドアがある。同じようにカードをかざし入った。


「やばかったー」

 とあつしがへたり込む、髪の色は戻っていた。僕達はミアを見つめる。


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