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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

共和国の女大統領は寝取りクズ勇者を嘲笑う

作者: 永劫

 私はチトセ、黒髪赤眼の美少女ということになるのだろうか? 自分で言ってて恥ずかしいが、問題ない。


今日は隣の王国から来る勇者達を迎えるために準備をしている。何を準備しているのかというと我が家の秘宝でもある神剣天津を取り出して、勇者達の実力がどれ程なのか? と少しだけ力比べというか、決闘をするために試させるために準備をしている。


私は黒い軍服を着て、腰まで長い黒髪を下ろして、神剣天津を腰に着けてある鞘に納めてから部屋を出て、勇者達を出迎えた。



「勇者殿、そして、その仲間達······良くぞ来てくれた。

私の名はこのミナ共和国の大統領チトセだ。

よろしく頼む。」


自分の名を名乗った後、頭を下げてお辞儀をした。

そして、頭を上げた後に勇者達が自身の名を名乗った。


「俺は日本という国から召喚された勇者、石田和也だ。よろしく頼むぜ!」


む? コイツ、敬語というものを知らないのか? 私が父上だったら即刻、首を切り落としていたかもしれないな。


まあ、それはそうとこの和也という少年はハッキリ言うとイケメンということになるのか? しかもプレイボーイと来たか。さっきから私の後ろからキャーキャー言って顔を赤に染めている者が何人か居るようだし、勇者の仲間の名前でも聞くとするか。

女しか居ないがな。


「わたくしの名前は聖女ジョセフィーヌ、よろしく頼みますわ。」

「アタイは戦士アカネだ。」

「私は剣聖レイナ」

「あたしは弓聖ルキナ」


フム、女しか居ないな。

これが例のハーレムとやらか······そういえばこの共和国も一人を除けば私も含め女だけだったな。

余り自覚はないがこれもハーレムと呼ぶのだろうか? 一応、あいつはこの国に入国して住み着いたばかりだからな。

しかし、ハーレムとやらは良く解らぬな。


私は内心そう思いながらも表には出さずに笑顔で共和国へと迎え入れた。



共和国に入った後、相談室へと案内した。

そして、このハーレムメンバーを座らせて私からの用件を聞かせた。


「何? 俺の実力を見てみたい? 何故だ?」


「是非ともお願いしたいのだが、宜しいだろうか?」


彼は少しだけ考える姿勢を見せた後、表情をニヤつけながら了承してくれた。


「良いぜ、乗ってやる。

しかし、条件がある。」


条件か······少しだけ想像できる。

恐らくこの勇者は――――――――


「俺が勝ったらお前とこの共和国の女共含めて、俺のハーレムに入って貰う。

お前が勝ったら俺を自由にして貰って構わない。悪くない条件だろ?」


想像はしていたがやはりか、なるほどな。

こちらが勝てばメリットが行き、彼方にデメリットを食らい、勇者の方が勝てば彼方にメリットが行き、こちらがデメリットを食らうということか。


「良いだろう。

乗ってやろう。」


「決まりだな。」


そうして勇者と私の決闘を始めた。




















◆◆◆



「それでは大統領チトセ様と勇者和也様の決闘を始めます。」


ついに始まるか、勇者は女神から授かった聖剣を使うか。

そっちが聖剣を使うなら私はこの神剣天津を使うとしよう。


「双方、剣を抜いてください。」


先に抜いたのは勇者だった。

勇者が持つ蒼い聖剣は何処か美しく見惚れそうになるほど綺麗な剣だった。


だが、何故? このような下種のような奴に女神は授けるのだ?

確かにこのような奴が勇者になれば、みんな浮かれるかもしれな。


では、こちらも剣を抜くとしよう。


私が剣を抜いた瞬間、勇者もその仲間達も眼を見開き、見惚れてしまっていた。

まあ、確かにそうだろう······私がこの剣を抜いたのはこれで二度目だけなのである。


一度目は魔神と呼ばれる存在を倒すために使い、二度目は勇者との決闘を······お手並みを拝見させるために使う。


何故、今まで使わなかったのかと言うと、危険な存在以外に使う気は無く、周りには唯単に使うのが面倒だとかそもそも使えないとか、そう言う事を言われている。


そして、改めてこれを抜くと力が漲ってくる。

それは勇者が持つ聖剣も同じだろう。

彼方は蒼白いオーラを纏っているが、私の方は何もオーラとかそういう系の物が見えていないだろうな。


そもそも感じることも出来ないだろう。


「へへへ、何だその剣は?

刀じゃねえかよ。

それで戦えるのか?」


確かに勇者の言う通り、私の神剣・天津は刀だ。

当然、勇者が持つ洋剣型の聖剣と比べれば弱いと思われるだろう。


良し、煽るとしよう。


「少なくとも貴様が持っている聖剣よりは上かもしれないぞ?」


「へっ、言わせておけば」


あれ? 煽ったのは良いのだが、取り乱さないな。

そして、審判から「始め!!」と叫び、決闘が始まった。


「んじゃ行くぜ!!」


そして、次の瞬間に勇者の姿が消えた。

否、消えたのではない。

高速でこちらに近づいたのだ。


すると後ろから殺意を感じ、後ろに振り向いて天津を下から速く振り上げてそれを弾いた。


「チッ、唯の刀じゃねえのかよッ!?」


当たり前だ······少なくとも聖剣より神剣・天津の方が歴史が長いのだから。


私の戦闘力を悟った勇者は後ろへと素早く退き、魔法を放ってきた。


「スーパーファイアー斬撃!!」


炎属性か? 炎属性としては少し違うかな?

これは炎ではあるが空間を削りながら圧縮した高火力の魔法と言うことか。

······それに空間が若干歪んでいるしな。


「喰らいやがれ!!」


なるほどな。

接近戦が駄目なら遠距離戦を選ぶわけか、良い判断だ。

しかしな······。


「甘いッ!!」


私はそう叫びながら飛び、空中で回し蹴りをして、その斬撃を蹴り飛ばし、ソレを勇者の方向へと転換させて跳ね返した。


「何イイイイイイッ!?」


すると間一髪で跳ね返された斬撃を勇者はギリギリ避けて、地面へ転がり、素早く起き上がった。


そしてその瞬間、私はトンと地面に着地して黒いナイフを勇者の方に投げた。


更にその投げたナイフの速度は空間を抉る程の速度で勇者の喉元まで迫り、勇者は高速で見切り防ごうとしたが、何かに弾かれたかのように後ろへと吹き飛ばされて、致命傷は避けられたが、肩が抉り取られて出血していた。


「痛いッ!! 痛えええええよおッ!!」


勇者は自身の肩が抉り取られている事に気づいたのか、激痛が走ったようだ。

確かにあれは痛いだろうな。


「おっと、やり過ぎてしまったようだ。

私は悪い子だな。」


「「「「「「アンタが言うなよ!!?」」」」」」


全員からツッコミが入ってしまった。

おや? 勇者はまだやる気があるみたいだな。

止めておいた方が良いと思うが、果たして大丈夫だろうか?


「おい! ジョセフィーヌ、回復を頼む!!」


「はい!」


おいおい待て待て!?

今は決闘中だろう? 何故、飛び出してくるのかね?

確かに致命傷ではないが、出血多量で死ぬかもしれないから今日は特別に見逃すが、次やったら容赦はする気はない。


「超回復!!」


流石は聖女様だな。

瞬時に勇者の肩を直した。


私がそれを見て感心しながら思っていると勇者はニヤニヤと笑みを浮かべながら口を開いた。


「どうだ? 驚いたか?

これが聖女ジョセフィーヌの力だ。」


「ああ、確かに驚いたよ。

しかし、まだ決闘は終わっていない。」


私はそう言って天津を構え直した。

そして、私はある事を思い付いた。


「勇者よ、どうせなら仲間達と共に挑んでも構わんよ。」


「何だと?」


コイツは何を言っているんだとでも思っているのだろう。

しかし、それは僅かだけであり、すぐに口角をつり上げて了承した。


「良いぜ。後悔して泣き叫ぶなよ。」


そして、勇者の仲間達が来て、それぞれ武器を構えていた。

だが、何故か我が国民でもある部下達も何故か勇者の仲間になっていた。


何となく確信した。

コイツは魅了系のスキルを持っている。


と言うことはあの女達もあの勇者の······いや、あの屑勇者の被害者と言うことだろう。


「貴様、魅了を使ったな?」


そう言うと屑勇者は何言っているんだとでも言うように、嗤いながら首を傾げていた。


「さあ、どうだかなぁ?」


彼がそう言った途端、汗が出ていることを確認できた。


間違いない······あれは相当焦っているな。

そして、さっきからギンギンという音が煩いが恐らく魅了だな。


「やはりか、私は相手の嘘と能力を見破る力があるのでね。

お前が何をしたかなんてお見通しだ。

私に魅了スキルなんて効くと思っていたのか? 馬鹿馬鹿しい。」


すると勇者は焦り始めて、声を震わせながら魅了された女達に私を戦闘不能まで追い詰めて、捕まえろという命令を出していた。


「下衆だな。」


私は眼を閉じて、不適的にニヤリと笑い、天津を上に向けて短く詠唱をした。


“至高天“


すると天の光が私へと滝のように落ち、天津とその光が融合した。


そして、私は眼をゆっくり開けると天津が光輝いており、この感覚が懐かしいと感じた。


「な、何なんだよ!? こんなのチートじゃねぇか!?」


ちーと? 何だそれは? 解らぬな。

しかし、この感覚は本当に懐かしいな。

確か前にも使った気がするが、どうでも良いだろう。


「さて、彼女達を解放して貰うぞ?」


「や、やめろおおおおおおおお!!」


そして、私は屑勇者の事を無視して魅了された女達を解放した。

解放された彼女達は疲れきって居たのか眠りにつ居ていた。


そして、それを見た屑勇者は絶叫しながら私に高速で、いや、光速で聖剣を振り下ろしてきた。


ふむ、さっきより速いな。

しかし、どうということはない。


振り下ろしてきた聖剣を指一本でピタッと停めて、手刀で聖剣の刀身を真っ二つに叩き折った。


「ああああああああああああああああああああッ!!? 聖剣がああああああああああああああああッ!?」


聖剣が真っ二つ折れたことで発狂して殴り掛かってきたが天津を片手で下から上へと振り上げて、殴り掛かってきた勇者の右手を切り飛ばした。

切り飛ばされた事に気づいた屑勇者は断末魔を上げて、切られた断面を抑えながら蹲っていた。


そして、天津を鞘に納めて、いつも通りに笑みを消して表情を戻した。


つまらない。

ハッキリ言うとつまらなかった。

こんな奴に世界を任すなんてあの女神はどうかしている。


そして、それが当たり前かのように従う王国も教会もどうかしている。


もう良いだろう。

何回も王国に魔族との和解を求めるように伝えていたのにそれを無視して、禁止されていた勇者召喚を行った国なんてもう知らん。


「勇者、いや違うな。

屑勇者よ······あの馬鹿な王国の連中と教会の連中に伝えておけ、お前達との同盟を解約すると伝えておくんだな。

勿論だが、これは巨大軍事国家の帝国も了承している。

ちゃんと伝えてくれよ?」


私は殺意を居れて、嘲笑いながら伝えるように命令した。

すると勇者は痛みに耐えながら、罵りをして、女達を置いていき王国へと帰って行った。


恐らく、嫌がらせか、宣戦布告をしてくるだろうな。

返り討ちにするが。


そして、私の後ろからとある人物が話しかけてきた。


「終わりましたか?」


と少年が話しかけてきて、私は優しい微笑みでこう話した。


「ああ、終わったよ。

約束通り、君の婚約者を魅了から解放したよ。」


そして、その少年は嬉しそうに微笑んで泣いて喜んでいた。

その少年の名はコウヤという名で、勇者に恋人を魅了で寝取られて追放されてしまった人物である。


すると魅了から解放された彼女達が起きて、混乱していたが、私が落ち着けさせて、事情を話した。


その事情を聞いた彼女達は涙を流して「ごめんなさい、ごめんなさい」と想い人達に許しを乞うていた。


そして、コウヤの婚約者である聖女ジョセフィーヌがコウヤの所へと駆け込み、彼に抱き着いた。


「コウヤ、ごめんね。」


「良いんだよ。君は悪くない。」


そうして魅了から解放された彼女達は無事に恋人と事情を話して、仲直りをして、幸せな生活を送ったのだった。




























と終わると思っていたか? 残念ながら終わっていないよ。

あの後、勇者は私に復讐するために王国や教会の連中と協力して攻めてきたが、魔王達と帝国が我が国に加勢してきて、一緒に叩き潰した。


勇者は魔王と私が開発した『多次元宇宙迷宮』に閉じ込め、王国の連中と教会の連中は魔族達の奴隷になり、逃げ出して何か練ろうとした者は例え、何かしら強い能力を持っていても絶対的な殺傷能力を持つ、餅で処刑される。

簡単に言うと喉に詰まらせて殺すらしい。私も喉に肉を詰まらせたことがあるが、何とかなった。


そして、女神はその部下達でもある天使達を使って私を襲わせようとしたが、勇者が持っていた魅了系の能力のコピーを使って仲間につけて、女神に報復をした。


その女神は、天津の切り札でもある『至高天』で多元宇宙規模的な概念攻撃で消滅させた。

一応、説明しておくと天津には対象の敵を消滅させる事が可能だ。例え、それが超絶的なモノだろうと、存在だろうとな。


では、何故? 勇者をそれで斬ったときにそれが起きなかったのかと言うと、あの時は概念攻撃を使っておらず、そこら辺の剣と同じく斬っただけであり、何も起こらなかっただけである。


さて、これで話は終わるが······悪い女神の仲間が何かやろうとしているみたいだが、問題ないだろう。


終わり

読んでいただきありがとうございました。

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