序章
遠い遠い昔の物語
この土地がまだ魔王の手によって荒れ果てていた頃の事。
アルティアラの神々は、魔王とその眷属の魔精によって虐げられていた生き物を憐れみ、その者たちに力を与えた。
ある者は、どんな武器にも劣らない肉体を、
ある者は、魔王にも引けを取らない知力を、
ある者は魔精を打ち払う魔力を手に入れた。
協力し合い魔王を遥か北の大陸に押しやり、封印し、ようやく平和を手に入れた。その者たちは神々への感謝の気持ちを込めて、大陸をアルテイラと名付けた。
しかしそれから数百年後、誰がより神々に愛されているかを競い合いその者たち同士で争うようになった。
そうしてアルテイラは人族、虫族、獣人族、精霊族の4つに分かれ、今なおその争いは続いている。
『アルテイラ建国記』序章から一部抜粋
…長らく平和が続いていたクイーンアント帝国だったが、第15代女王セルリアの治世の際、魔精に魅入られてしまった第三王女*****が魔剣を手に帝国、およびその周辺国に甚大な被害をもたらす。
死傷者は帝国だけでも数万を超え、そのうちの多くは未だ見つかっていない。
セルリアは自身の命と引き換えに*****を止め、のちに聖女としてアルテイラ大陸中に名の知られることになる第16代女王メアリが魔剣を帝国の地下奥深くに魔精と共に封印する。その部屋は王族にしか入らないようになっているが、時々地下から闇に誘う魔精の声が聞こえることがあるという。
『帝国の地下部屋の秘密』 一部抜粋
むかしむかしあるところに、心優しい純粋なアリの王女様が
いました。
ある日、王女は地下の部屋から声がすることにきがつきます。
「だしてくれ」「くらいよ。さみしいよ」
声の主はかわいそうなくらいか細くふるえた声でした。
かわいそうに思った王女は、こっそりと女王の部屋に忍び込んで、その部屋の鍵を取ると、かちゃりと部屋の扉の鍵を開けました。
すると中には誰もいません。
「なんだったのかしら?」
王女が首をひねると、部屋の奥で何かがきらりと光りました。
近づくと、そこには一本の剣が飾られていました。
「わあ!きれいな剣!」
王女は土台から剣を外してしまいました。
すると紫色の光が王女をみるみる包み込んだのです。
童話『アリの王女とキリギリス』序章