1/1
一話
僕の身体は華奢で、その上、膚の色は雪のように白い。
背も低く顔も小さい
鼻も口も小さい
手も小さい
眼はパッチリとしていて二重瞼…
鏡に映った自分の姿を見ていると、ひたすらにため息が漏れる。
と言うかため息しかでない。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
ロングブレスも真っ青な長すぎるため息を溢しつつ、僕は着替え途中の白いYシャツの袖に腕を通した。
少し胸元がダブついたシャツに嫌になる。
僕の身体が小さすぎて女子のシャツを着るとか、ほんと嫌になる。
ただ、悪いことばかりじゃない。
Yシャツのボタンの位置が女性物は左右反対なのだ。
左利きの僕にとってはうれしい誤算だった。
ただ、これを期に男の娘デビューとかなったら誰か責任を取ってくれるのだろうか?という不安が脳裏を過ったが、無視する事にした。
「何かサム気がする…」
一瞬、背中を誰かに触れられたような気がして慌てて振り返ったが、そこにあるのはいつもの自分の部屋のいつもの平穏な風景だった。