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【Saga Frontier】 ver_0.01  作者: へるぷみ~
【フェーズ1】年下先輩はジーニアス
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六日六時―上手なお金の稼ぎ方?―

一般的に米のような穀物の流通はごく一部であり、一般的な食事では提供されない。穀物のほとんどは粉食が主で、製粉した穀物をパンにしたり、生地にしたり、麺に加工して食されている。国柄や地域によっては粒食を主とする場合もあるが、これは日本的な米ではなく、オートミールのようなもの。こっちは大体が水で煮て~という食べ方がされている。


酒造技術は手間がかかるものほど値が高い。醸造酒は一般的な飲み物、蒸留酒はちょっと上品な飲み物のような扱い。カクテルのような飲み物を扱ってる店は変わり者がやっている……が、固定の客がついている。

 その後アリクイと街を見て回ったわけだけど、お腹が空いてきたねということで昼食を摂ることにした。場所はあの広場。私は既に持っていたけれど、彼女は露天で気になる料理を見つける度に買っており、自由に食べるものを買えている様子が羨ましかったとかそういうのは内緒だ。

「それじゃあいただきましょうか!」

「「いただきます!」」

 お腹が減っているのもあるけど、朝から私はこの弁当の中身が気になっていた。小包を御開帳。そして現れたのは――

「……巻物?」

「トルティーヤとかそういうのに似てますねー?」

 小麦色の生地に包まれた物体が5つ。それなりに重みがあると思ってたけど、こんなに入ってたら確かに重くはなる。

 まだほんのり温かい仮称トルティーヤを手にし、眺める。生地は柔らかいけど厚めなのか、破れる感じはない。匂い……はうん、見た目通り小麦みたい。中身はわからないけど、弾力のある塊が指先から伝わってくるので肉とか?

「ままよ!」

 いざ――!


「美味かった……」

 いやもうあれですね、今度作ろう。

 生地は……薄力粉か米粉使えば再現できそうだし、中の具はお好み(アラカルト)で良さそうだし、洋風? 中華? な手巻き料理というのは楽しそうだ。あとはソースも複数作れば……うーん、現実に戻ってからが楽しみになってきた。

「結構あった気もしますけど、ぺろりと平らげましたねー」

「そういうアリクイだって結構買ってたのに私より早く食べ終えたじゃない」

 彼女の場合は串焼き中心――露天の傾向的に持ちやすい=串焼きが定番のよう――で、大量の肉と野菜を食べており、単純な量だけなら私の2倍はあった。

「いやー、どちらかっていうとシノが遅かったんだと思いますよー? 食べるごとに固まってを繰り返してたらそりゃあたしの方が早くなりますよ」

「人は感動した時その感動を長く味わいたいんだよ」

 だって全部の中身が違うから食べる度に新鮮な感動が得られるんだもの、仕方ないでしょ。

「お腹も満たしましたし、街も危なそうなとこ以外は見回りましたし、どうしましょうかー」

「しばらくは余韻に浸れば良いのでは?」

「そうですねーそうしますかー」




「ねーちゃん、こっちにエールを人数分!」「つまみがなくなったー、あと酒ー!」「あっつー。今日はおつかれさーん。あー早くエール飲もうぜ~」「エール!? いいっすねぇエール! 飲みましょうよ!」「エール置いてっか~?」

 蜂の巣をつついたようとはこの事か。

「はーいお待たせしましたー! はい今この席空いたのでこちらにどうぞー! おつまみはおまかせでいいですねはい、おつまみお願いしまーす! エールちゃんとありますよー!」

 場を支配する酔っぱらいの大笑怒号。息つく暇もなくあっちだこっちだと人でごった返す中を声を張り上げ掻き分ける。

「おーいい尻してるねぇお嬢ちゃん」

「ひぃ!?」

「ぐへへあだだだだだだだだ!?」

「はーい、お触りは厳禁ですよー? 次やったら水被せた後に叩き出しますからねー! シノっ」

「あうん、ありがと!」

 アルコールで理性のタガが緩んでいる人たちの妨害セクハラを避けつつ、与えられた仕事を果たすべく奔走。

 Q……どうしてこうなった?

 A……アリクイがバイトしようと言ったから!

「しかもこの格好……」

「可愛いでしょー?」

 カウンターに置かれた料理を掴んで運び……

「これ下品に属する服だと思うんですけどぉ!?」

「そうですか? でもタイトスカートってこういうのありますよ」

 空になったジョッキを回収し……

「膝丈割ってるのは少数派だと思うなぁ!」

 上の服がノースリーブなことと、制服が汚れないようにと貸与されている大きめエプロンは個別に見れば普通……まぁ普通なんだけど、これらを組み合わせた時の格好が悪質でしょ。アリクイの格好を見て自分が同様の姿であると自覚した時は膝から崩れ落ちそうになったわ。

「優等生ですねー、シノはー」

「モラル的には普通だと思うんですけどぉ!?」

 また違う客からのセクハラを避け……

「もぉやだぁ! バイト怖いぃ!! なんで酔っ払いはセクハラばっかしてくるのぉ!?」

「はーい、お客さんそういうことするならいっそ潰れるまで飲みましょうねー? エール10追加でー!!」

 初めてな経験がことごとく恐怖体験だったりトラウマになりそうなものだったりで軽く泣いた。

前から見たら着てないエプロン


あと潜在的に受けなのが原因なんでしょ(適当)

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