決意
ガイア「まぁ、それはお前達次第じゃよ。今までも同じように墜落した飛行機に乗っていた者から選ばれた高校生がここへやってきた。しかし、大半が訓練中に眠りから覚めずこの世から消えている。戦う意志のない者は皆消えていくのじゃ。もちろん最後まで残った奴らもおったぞ。だが、そ奴らも元はただの人間。神の器には足りん存在だったということじゃの……皆消えてしまった。この世から消えた者はもちろん元の世界にも還る事はできぬのじゃ。」
月道「やっぱり還れないんじゃない……えーん。」
虹村「ちょっと!ガイアっておばあさん?あなたも神なんでしょ!?だったら私達は神なんかじゃないから元の世界に戻してよ?ね??」
ガイア「無理な事を申すでない。もう決まった事……この戦いに勝てば良いのじゃ。」
そうだな……俺たちはただの人間。
ただの高校生なんだ。
こんな所にいても元の世界にいても結局は消える存在。
必要のない存在……。
でも……どうせ消えるなら……。
雨谷(雷斗……)
俺はみんなの前に立ち、腕に乗る鷲を上に掲げ言った。
雷斗「みんなっ!俺たちはただの高校生だ!きっと死ぬ!それでも、ここでも元の世界でも消える存在なら、今の状況と向き合うのが……1番なんだと……思う。」
咄嗟に前に出て話し始めたのはいいものの、自信なんかないからだんだん声に張りがなくなっていった。
その時俺の横に立つ奴らがいた。
アリス「雷斗の言う通り!やれる事はやろう。きっと大丈夫!このクラスなら大丈夫!」
大洋「俺にはわかる。みんなこの世で生き残るから心配すんな!」
アリスも大洋も不安な顔を一切せず笑顔だ。
俺は……いつもこの2人に助けられてる気がするな……。
今までの出来事が走馬灯のように頭の中にフラッシュバックする。
俺の両親が死んでからばあちゃんに育てられた。
じいちゃんは俺が生まれてすぐ死んだから顔も覚えていない。
ばあちゃんは忙しくても大変でもいつも笑顔で俺の話を聞いてくれた。
いつも優しかったばあちゃんは先月死んだ。
俺には身寄りもなくなり、悲しかったけど涙は出なかった。
身近にいる大洋やアリスに心配をかけたくなかったからだ。
それに……
ばあちゃんの死に大量の涙を流したのはあいつらだったから……。
雷斗「もう……『行ってきます』も『ただいま』も言う相手はいないんだな……。」
そんな俺にあいつらは、
大洋「俺が……行ってらっしゃいもおかえりも言うからな!」
アリス「うんうん、私も……。だからね……雷斗も泣いていいんだよ!グス。」
そう言って2人は号泣し、俺に抱きついてきた。
大泣きしてる奴らの前で泣けるか!って思ったんだ。
雷斗「おっ!?きたねー!鼻水っ!……っ……」
だけど俺は、その後声を出して泣いた。
その時俺にはまだ居場所があるんだなと実感することができた。
大洋とアリスがいてくれたから、乗り越えられた事はたくさんある。