俺たちの諦め
訓練ってなんだよ!?
そもそもなんで俺らはこんな所にいるんだよ!?
なんで神になってんだよ!?
雨谷「雷斗君、一つ一つ考えていこうか。」
雷斗「雷斗でいいよ。考えてわかること……かな?」
俺は下を向き少し投げやりに言った。
当然キャパオーバーだったから。
真「わかるさ!今まで考えてわからなかったことなんてない。」
雷斗「嫌味かよ……まぁ真だもんな!頼りにしてるぜ。」
IQ180って人間かよって思ったけど、これほど頼もしい奴はいないだろう。
俺たちはヨーロッパにありそうな城に連れてこられ、だだっ広い所へ案内された。
そして、老若男女合わせて6人が俺たちの目の前に出てきた。
ガイア「早い話、お前らの先生じゃ。一人一人能力を与えたが使いこなせるかはお前ら次第。そして聖獣や聖鳥にも能力を与えておる。しっかり主神を支えてやるがいい。」
ここで俺と同じく疑問に思う奴らが発言した。
竪琴を持つ男……高校生ピアニストの竹野音新太だ。
竹野音「質問なんですが、なぜ僕らは戦わなくてはならないのですか?それに何と戦うんですか?」
新太が質問した事で他のみんなもばあさんに疑問をぶつけに行った。
茶川「私達は一度死に、ギリシャ神話の神となったようですが、その戦いに勝てば元の世界に還れるのでしょうか?」
おしとやかで美人な茶川花乃はクラスで1番人気がある。実家は茶畑農園。
何の神になったのかは知らないが、すごく綺麗だな……。
つい見惚れているとばあさんは閉じていた口を開き、
ガイア「お前らは質問が多いのぉ……まぁ良い。せっかくじゃ、話してやろう。」
ばあさんは宙に浮くのをやめ、椅子に座った。
持っている杖を一振りし、ティーカップを出して一口飲む。俺たちの目の前にも飲み物が出てきた。
そしてばあさんは話し始めた。
ガイア「この世は今多子化であろう。特に高校生の割合が多い。そこで世界政府は修学旅行と乗じて高校生を飛行機に乗せ墜落させ、人口を削るというとても遺憾だが効率的なやり方をとっておる。だが、それはこちらにとっても好都合じゃった。戦いに挑む者を集めておったところじゃ。今こっちの世では、ゼウスの父クロノスという男が好き勝手やっておるのじゃ。ゼウスは……お前じゃお前。そこの鼻のでかいやつ。」
そう言って杖で俺を指した。すげー失礼じゃね?
雷斗「おいっ。鼻でかいやつはな…チ○コもでかいんだぞ!いでっ!」
そんな事を言うもんだから俺はアリスにどつかれた。
アリス「こらっ、汚い!」
雷斗「汚いってなんだよ。キレイだっつーの!」
ガイア「なぜこいつがゼウスとして選ばれたのか不思議じゃな……」
大洋「全くだ。」
周りは呆れた空気になったが、ばあさんは話を続けた。
ガイア「クロノスもまた神殺しをしておるのじゃ。奴は自分に不利益な神や聖獣などを自由に殲滅しておる。それは決して赦されることではない。そしてこれ以上あやつの思い通りにさせればこの世も消滅してしまうじゃろう。」
藤ヶ谷「そんな……それで私達が?」
ガイア「ああ……以前はクロノスと戦っていた者達がおったが、皆急に消息を絶ってしまったのじゃ。それが今お前達がなっておる神達じゃ。」
雷斗「は?どうせそいつらじゃないと倒せないとかじゃねーの?」
江畑「それじゃ、俺たち神でもなんでもないただの高校生なんだから無理だろ……。」
俺たちはがっくりと肩を落として落ち込んだ。
そりゃ、最初からおかしな話だと思ってたさ。
どうせもう死ぬんだ……俺たちは。