飛行機
そしてついに修学旅行の日がきた。
日本中が注目している中、俺たちは午前8時35分羽田空港発沖縄行の飛行機に搭乗した。
2年B組32名中3名は欠席。
大洋「まさか本当に行くとはな……。」
アリス「日本中……ううん、もはや世界中が注目しているみたいだね。メディアもたくさん来てたし。」
雷斗「俺ら、死ぬのかな……」
根火「まぁ、そんな暗い顔するなよ!大丈夫!修学旅行を楽しもうぜよ!」
この男、根火信二はクラスのムードメーカー的存在で熱い……とにかく熱い男。
いつもに増してテンションが高いけど、大丈夫だろうか?
というか俺、それどころじゃないんだが……。
アリス「雷斗……大丈夫だから。私を見て……」
——アリス?
いつもと違う雰囲気の彼女にドキッとしてしまう。
アリスは肘掛に乗せた俺の手に自分の手を重ねて真っ直ぐ俺を見る。
雷斗「ああ……ありがとう。」
飛行機は無事離陸した。
機体も安定している為、席を離れる客が多く見られる。
そんな中俺は未だ動けずしっかりとシートベルトをしている。
隣のアリスもそのままだ。
雷斗「アリス、もう大丈夫だから……サンキューな。」
アリス「ねぇ、雷斗……何も憶えていないの?」
俺の話はよそにアリスは話し始めた。
憶えていないって何の話をしてるんだ?
雷斗「は?何をだ?」
アリスは俺の顔をジッと見てこう言った。
アリス「私達本当は……」
アリスが何かを言いかけた時、窓の外がピカッと光り物凄い大きな破裂音が鳴った。
そして次の瞬間、飛行機は傾き出した。
これは……真っ逆さまに落ちている?
「キャー!」
「死ぬー!」
「神様ぁーーーーー!」
飛行機の中は大パニックだ。
機内アナウンスが流れているが、誰も聞いていない。それどころじゃないよな。
この間見た飛行機と同じ事が起きているんだから。
俺は声も出ず座席の上で前屈みになる。
目をつぶって生まれ変わったら何になるかなって考えていると隣から声が聞こえてきた。
アリス「雷斗、私本当は神様って信じてるよ。」
雷斗「は?今言うかー!?じゃぁ、これどうにかしろよー!神!」
俺がそう言った途端また空がピカッと光った。
その光の中に飛行機は落ちていく。
目も開けていられず目をつぶっていると、そのまま気が遠くなり俺は気を失った。