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繁栄は1人の働きから成る  作者: 低体温低血圧
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「あー、今日からか。親父が言ってた例のゲーム」


ベッドに寝転がりながらスマホで暇つぶしをしている途中、サービス開始を予告する通知が画面に表示される。

開始まであと7時間!という記載をみて、そういえばそうだったと思案。

ついこの間、ゲーム開発をしている親父から、うちの新作ゲームがでるからやってみてくれよと、お願いをされたことを思い出した。


このご時世、脳波開発がいくら盛んになってもここ日本では携帯式デバイスは衰退する気配を見せない。

海の向こうでは人体に埋め込むチップが開発されて、いるというのにいつまでたっても日本は日本だ。


通知を消しつつ、連絡ツールを起動し、親父に返事を返す。

なんでもテスターとして1期メンバーとして参加させてくれるという話だったが、HMDに事前ダウンロードするという話はきていない。


『オープンβに参加させてくれるって話だけど、事前DLとかないの?今時?』


『お、通知きたか?輝人、今作はちょっと特別なんだ。まぁまっててくれ』



輝人、そうそれが俺の名前。

明石輝人(あかし てるひと)


親父は明石輝伸 ゲーム会社で働いているリーマンだ。


『特別?ふーん・・・あ、どうせなら潤ともやりたいからさ、テスターにできる?』


『お、いいぞ~。1人くらいなら拡張しても問題ない。IDを教えてくれ』


『了解、潤に伝えとくよ。』


『ちゃんと余裕もって準備するんだぞ。スタートダッシュは大事だからな。』


『はいはい。レビューまっててくれよ』


『楽しみにしてるぞー』



そんなやり取りをしながら、連絡ツールを消す。

親父が言ってた特別ってどういうことだろうなー。


まぁ俺が考えたところで仕方ない。開始までの7時間で準備をしよう。


「てるー。なんかあった?」


「新作ゲームの通知だよ。俺テスターになったんだよね。」


話かけてきたのは俺の友達である遠山潤。

今は大学の近くにある我が家にて、潤と二人でダラダラしている最中だった。

サークル活動のつもりで大学に来たのに人がこないからとか言って押しかけてきたのである。


まぁそもそもの話ではあるが、潤は我が家の常連と化していて、入学してからの半年間何かと大学の近くにある我が家を活用している。

中学以来の友達であるが、高校が別になって大学で再会した。一人暮らしを始めているみたいだが家は少し大学から離れているようだ。


「へー、親父さんのコネ?なんてゲーム?」


「The Warってやつ。噂のあれ」


「うっそ、まじかよ。噂の国家間プロジェクトとかいう?」


「それ。米国が手がける戦争ゲームとか恐ろしさしかないけどなー」



そう、親父が手がけているゲームは日本と米国が手がけた”フルダイブMMO”のゲーム

戦争をテーマにしたThe Warというゲームだ。


戦争がなくなったこの世界で戦争ゲームというのは、大量に作成された。

主にFPSのジャンルで人気を博しており、E-Sportsとして広く親しまれた。


ある意味使い潰されたジャンルでもあるんだけど、どういうゲームになるんだろうか。


ただ、あの米国の国家プロジェクトでもあるんだから、本格的なものになるのは間違いないだろう。

なんといっても世界最強の軍事力をもつ国家。技術提供はしていることだろう。



「ついでに潤もテスターにしとくからIDは教えてくれってよ」


「はい神。さす輝。わかってますねえ」


「1人でやっても面白くないだろ。こういうゲームは」


みんなでわいわい。それがMMOの醍醐味だ。

もちろんソロで活動する時間もあるし、その下積みが成果となるジャンルでもある。

リアルの友達と一緒にできるのなら、やるに越したことはない。


潤のIDを親父に教える許可を得たあと、今から7時間後、つまり19時からサービス開始であることを伝えた。

親父のほうでもテスター登録が完了したようで、潤のスマホにも通知がきていた。


「よっしゃー!さんきゅーてる!!これでしばらくは暇せずに済むな!」


「それハマりすぎて大学休むフラグだからやめとけ」




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