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繁栄は1人の働きから成る  作者: 低体温低血圧
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時は21XX年


脳派を読み取る研究が進み、日常生活にまで浸透するようになって早、数十年。


先進国では利便性を追い求め、いや追い求め過ぎて筋肉の虚弱化が問題となってきた頃。


脳波によってフルダイブを行うゲームも今や当然となり、人類は第2の世界としてゲームの世界を選ぶことも多い。

先進国の米国、日本の中で代表するゲーム制作会社が手をとり、一つのゲームが開発されることとなった。


ゲームが生活を占めることもあるこの世の中。

ゲーム会社の地位というものは急上昇しており、その中で代表とされる2つの会社の影響は計り知れないものがある。

米国と日本は国家間プロジェクトに認定し、潤沢な資金のもと、そのゲームは作られた。



The War


”戦争”と銘打たれたゲームは、いい意味でも、悪い意味でも評判となった。


21XX年、この世界に戦争という概念は無くなったに等しい。


技術が世界を占めるということは、先進国に優があるということにほかならない。

どんなにカリスマ指導者(独裁者)がいる国であったとしても、1発の銃弾で倒れるのだ。


核が世界を恐怖に陥れた時代があり、その時一つの独裁者が圧制を敷く国がアジアに存在したが、

戦争の火蓋が落とされたあと、1週間も持たずに白旗をあげたのは歴史の教科書にある通り。


勝者である米国及び日本等数各国の連合軍は、戦争特需を期に、技術の発展を加速させた。

戦争が時代を作るとはよく言ったものだが、一つの事実であるには違いない。


憎しみは憎しみを生むというが、その戦争では圧倒的であり過ぎたために、その後血が流れることはなかった。

最も貢献した米国であるが、力を驕ることなく、世界の平和に努めた。



その結果、といってはなんであるが、きれいさっぱり戦争はなくなったのだ。

事実上の米国の世界統一といっても良い自体であるが、圧制や紛争はなくなった。

宗教関係の問題も無くなった。皆、戦争をみて馬鹿らしくなったのである。



その結果、米国は軍事力の余剰リソースをより科学的実験に割く事が可能となった。

その末に生まれたのがこの、”脳波を活用することが当たり前の世界”である。



その場合、米国が虚弱化し、戦争をけしかける国がないとも限らないだろう。

しかし、それを未然に防ぐことに成功した国がある。

それが我らが日本、オタクの国だ。


2000年初期より、日本国内でのオタクの認知度はじわりじわりと上昇した。

彼らの想像力には目をみはるものがあった。


かっこいいもの、かわいいもの。彼らにはそれを生み出す力があった。


この”想像力”が仕事をした。


世界各国の強力のおかげで、全人類に脳波活用環境を用意することができたのだ。

(世界的な人口低下が発生し、全人類の総数は10億人ほどに低下している。また、そのおかげか食糧難や難民等も見られなくなった。)


つまりこれは全世界、全人類の共通ネットワークが作成されたことを意味する。

ここには全世界の人が満足にものを得ることができる環境があった。



日本のとある企業が開発したものにより、全人類の満足度、幸福度を一定水準にまで保つことができたのだ。

そのテーマはずばり、”かわいいは正義”。

萌えが世界を斡旋したのだ。



つまり今の地球は、全人類ネットワークを介したかわいいもので溢れていた。


しかし、問題もある。


平和というものは、緩やかなものだ。

技術の発展には波があり、停滞することもある。


その状況を米国の技術者は良しとしなかった。

技術の発展は世界の成長。停滞は悪だ、と考えた。

しかし、今の世界で戦争をすることは、はばかられた。当然だ、並大抵のものではないのだ。


日本と米国はこの問題に対して、ゲームに目を向けたのだ。


”ゲームの中なら、何をしてもいい。”


絶対不変の事実が、そこにはある。


ゲームの中でなら戦争だって問題ない。それどころか、一般人の想像を超えた発想を得ることができるかもしれない。

そういった思惑のもと、2国は開発に乗り出したのだ。



一般人にはこの2国家間プロジェクトは、ただのゲーム開発として知らされている。

その為、戦争を題材としたゲームに対して批判があった。が、国民、もといゲーマーたちには

一世一代の大ニュースとなったわけだが。


さて、本日9月1日 19時よりついにサービスが開始されるわけだが、うちの息子はこのゲームで遊んでくれるだろうか。


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