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ヤシの木の下を歩く

作者: キサラギ

ヤシの木の下を歩く

ここのあたりでは珍種の猿が落ちているヤシの実を食べるという

横には大きな海が広がっている

周りには誰もいない

急に後頭部を猛烈な痛みが襲った

目の前が真っ暗になった


ほどなくして意識が戻り、目を開けた

いやに視線が低い

どうやら倒れてしまったようだ

起き上がろうにも体が動かない

だれか歩いている人が見えた

助けてください

声も出ない

この人はどこか見覚えがある

そうか、これは自分の後ろ姿だ

なにをしている自分、助けてくれ

ん、じゃあこの砂浜の上に転がっているのは何なのだ

その謎もほどなくして解けた

歩いていく自分の後ろ姿

頭をよく見るとヤシの実になっている

どうやらヤシの実が歩いていた自分の頭に当たり、取れた頭がここに転がっているようだ

落ちてきたヤシの実はそのまま頭と入れ替わったらしい

体はまだ頭がヤシの実と入れ替わったことに気付いてないんだろうな、気付いた時にはどんな反応をするんだろうか

とにかく元気で天寿をまっとうしてくれよ

そんなことを考えていた


自分の後ろ姿もすっかり見えなくなった頃、突然猿の鳴き声が聞こえてきた

よかった、自分もヤシの実としての天寿をまっとうできそうだ

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