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追憶の終わり
その後の物語は比較的平和であった。
キミアはアデルの父、シロンのサポートを受けアルカロイドで錬金薬学師をする事となる。
コカナシも内に秘めた物を吐露し、言の葉を出すようになった。
隆也を生徒としてからのあの日まで、アルスが現れる事はなかった。
ゲンの形見である僅かな生命力が込められた指輪はキャットワークを通じてキミアに届けられ、使われる事なく大切に保管されている。
これらの物語はキミアとアルスの物語ではなく、キミアとコカナシの物語である。
故に此度の譚では語られない。
此度の追憶は此処で終わる。
本日より毎朝5時に一話更新していきます。
完結までもう少し、よろしくお願いします。