表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金薬学のすすめ  作者: ナガカタサンゴウ
錬金集合智『トリスメギストス』〜神愛なる少女〜
167/200

STSは浅く終わる

「智野、下がってろ」

「おやおやおやー? 遠距離武器相手に距離を取る? ネタバレしちゃってる系?」

 四女は「んー」と暫く考えた後、「にゃるほどねー」と目を鋭くさせる。

「マッカの家族ちゃんか」


『彼女が一歩踏み出せば、既に懐にいます。そこに距離など関係ありませんよ』

 そう教えてくれたのはカリだった。

 だから俺はあらかじめグローブを強化していた。

 近接型リトルガンマン。彼女はその名に相応しく、銃を飛び道具として見ていない。

 確実にあたる懐、ゼロ距離でソレを放つのである。


 *


「硬いグローブだね、それも錬金術ってやつなのかな?」

 数回の攻防の後、四女はまた距離を取った。

 一丁を後ろの智野の方に向けたままもう一丁に弾を込める。

「それもって事はその銃もそうなのか?」

「あたし扱いが乱暴だからさ、ゲラっちに錬金してもらったんだ。オーバーヒートもしないし頑丈で素敵なの」

「リロード完了」と歌うように言った四女はまたも懐に来る。



 この廊下は一直線。だから来る場所は決まっている。

「……あらら、掴み取り?」

 弾を防ぐ事数回。グローブが悲鳴を上げる直前でそれは成功した。両方の銃を掴んだのだ。

 しかし四女は余裕の笑み。

「でもでも〜、あたしってば力もあるのよん」

 勢いよく振り払われ、よろけた身体に銃口が付けられる。

「……あれ?」

 しかしトリガーは引かれない。いや、引けないのだ。

「錬金術でテキトーに分解した、それはもう使えない」

「ありゃりゃ、ダメじゃんゲラっち」

 銃を放り投げた四女は俺たちが入ってきた方に向かう。

「何処にいく」

「撤退。銃が使えないとかありえないし……それとも」

 四女はポケットから小さいナイフを取り出す。

「止める?」

「……いや、いい」

「じゃあね☆」

 去っていく四女を確認し、智野と共に進む。

「この先に……ニャルとゲラシノスがいるんだな……」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ