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錬金薬学のすすめ  作者: ナガカタサンゴウ
キメラ・ハウスからの脱出劇
143/200

再開ボマー

「なっ……何でこんな所にいる!?」

「その話は後ほど、背中は任せてください」

 小さく笑みを浮かべてキミア先生はコカナシさんに背を向ける。

「見ろよお前ら! 小さい助っ人の登場だぜ!」

「んなやつ放っておけ! 一人回せば十分だろ」

 コカナシさんの見た目に男たちは油断している。

 流石のコカナシさんも三人くらいを相手取るとなれば分が悪いだろう。しかし……

「一人ずつ来てくれますか、それは助かります」

「一人ずつ? 間違えるなよぉ! オレ様だけで終わるんだよ! さあ来な、先手は譲ってやるぜ」

 彼女を笑い飛ばした男が拳を鳴らしながらコカナシさんを挑発する。

 動きにくい和服を脱ぎ、それを斜め上に投げる。

「では、お言葉に甘えて……!」

 それは一瞬だった。お腹に一撃を入れられた男が倒れ、その上に脱ぎ捨てた服が乗る。

 顔にかかる前髪を避け、逆に挑発をする。

「さて、次はどなたですか?」


 *


 コカナシさんによる早く重い一撃、そして僅かに生まれる隙を埋めるキミア先生の薬品攻撃。戦いが終わるのにそう時間はかから無かった。

「なんなんだ君たちは……」

 降ろした梯子を上がってきた二人を見てデュパンさんが苦笑いを浮かべる。

「さて、では改めて……」

 服の汚れをはらい、コカナシさんがキミア先生に抱きつく。

「無事でよかったです!」

「おう、お前もな」

「…………」

「……どうした?」

 キミア先生が聞くと顔だけが彼の方を向く。

「キミア様、タバコ、吸いましたね?」「うっ……いや、流石に落ち着かなくて……な?」

「タバコは舌が鈍るから禁止されていた筈です! 何のために私が薄味の料理を研究してると思ってるんですか!」

 助けを求める視線がきたが、わたしはソレを跳ね除けた。


 *


「と、いうわけだ」

 お互いの状況を共有した。国営傭兵団を呼んだらしいからこのままやり過ごしていれば大丈夫だろうけど……

「あいつが心配か、トモノ」

「え、はい。そうですね……隆也って運動神経も良くないし捕まってそうで」

「加勢に行きますか?」

「……おい、探偵。アナグマの場所は分かるか?」

 呼ばれたデュパンさんはかぶりを振る。

「残念ながら何も情報が無い。電波遮断の部屋にでも入っているのかも」

「一つ一つ探していたらキリが無いな……仕方ないか」

「おや、何か良い案が?」

「材料次第だな。何処かに火薬はあるか?」

「武器庫に行けば弾薬は手に入るだろうね。ここからダイレクトにたどり着けるよ」

「よし、ならば大丈夫だ」

 キミア先生が悪い笑みを浮かべる。

「ド派手にドンとやってやるか」


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