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錬金薬学のすすめ  作者: ナガカタサンゴウ
悪性に対する十戒とソウサク劇
132/200

目撃証言

「事件があったのはついさっき、とある少年の誘拐を違う少年が見ていた」

 目撃者の元へと向かう途中、デュパンさんの推理が始まった。

「ここでノックスの十戒、最後の項目は覚えているか?」

「えっと『双子、一人二役は読者に知らされていなければならない』ですね」

「その通り。これは目撃証言の信用性を高める為だ。見間違え、人違いの証言は情報を錯綜させるだけになる」

「では今回の被害者は……」

「そう、双子の一人だ」


 *


 村長の家に入ると幼い少年が座ってキャンディーを咥えていた。恐らく彼が目撃者であり双子の一人なのだろう。

「子供とのコミュニケーションは君の方が得意そうだ。ファーストコンタクトは任せた」

 わたし達の事を不思議そうに見る少年の横に車椅子をつける。

「こんにちは、飴おいしい?」

「うん、おいしい。お姉さん、ドーピーは何処にいるの?」

「ドーピー? 君の兄弟かな?」

「うん、ドーピー。あまり話さない子なの。いなくなったの」

「お姉さんその話が聞きたいの……わたしはトモノ、あなたのお名前は?」

「スニージー、僕はスニージーだよ」


 *


「僕とドーピーはアイスを食べて公園で遊んでたの。ドーピーは飽きてお花の方に行っちゃったけど僕は鳩にご飯をあげてたの」

「花? 公園内にあるのかな?」

「うん、端っこにあるの。僕はくしゃみが出るから近づかないんだ」

 恐らくは花粉症、大変な事だ。

「じゃあその目を離した時にいなくなってたの?」

「ううん、遠くから見てたよ。顔まで真っ黒な人がドーピーを車に乗せていったの!」

「目撃したのか?」

 ここまで黙っていたデュパンさんが腰を上げた。

「その人は大きい……俺たちみたいに大きい人だったか?」

「うん、大きかったよ」

 何度か頷いた後、デュパンさんは思考の果てに顔をあげる。

「これは……現場を抑えるしかなさそうだな」


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