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錬金薬学のすすめ  作者: ナガカタサンゴウ
ホーンテッド・にゃんション
122/200

食べようお祭りの街

「え? 祭り?」

「依頼主からなるべく五体満足で連れて帰れと言われていてね」

 その「なるべく」には強調と脅迫が僅かに含まれている。

「まあ、ワタクシ達ではニャルに敵わないだけですけどね。三人がかりでギリギリ、貴方達がいたのでは勝ち目はありません」

「なんでオマエはそう色々とバラしちゃうんだい!」

 拳をカリにめり込ませたままマッカさんは咳払いをする。

「ともかく! アタシらが勝ったらニャルにはトリトスに帰ってもらう、アンタ達が勝ったらアタシ達はとりあえず退散する! それでどうだい?」

「いや、それじゃあ本当に退散する保証が……」

「やるー!」

 ニャルに割り込まれて俺は言葉を止める。

「大丈夫か?」

「うん。今までも勝ったら帰っていったし」

「おお、マジか」

 さてはこいつら捕まえる気ないな?

「じゃあ参加する祭りを決めようじゃないか! ここは祭りの街、選り取り見取りだよ」

「条件としては飛び入り参加できる事と、すぐ出来るのが好ましいでしょうね……モウ? どうしました?」

 本を受け取ってカリは「ほう、ナイスです」とウインクをする。

「ちょうど開催中の祭があります、飛び入り参加大歓迎、しかも一対一の一本勝負! これでどうでしょう!」

 カリが指したのは……

「種目ランダム☆大食い大会……?」


 *


『さあさあ皆さんさっきの試合はどうでしたか? 鼻からパスタを出した時は笑いが咲きましたね! では次の対戦カードはこちら!』

 大きな液晶に俺たちの写真が映る。

『赤陣営は小人、中性、巨人の凸凹……いやさ階段トリオ! チーム、マッカファミリー!』

 三人が観客席に向かってパフォーマンスをする。なぜか場馴れしてるようだ。

 拍手が収まったのを見て司会がこっちに手を向ける。

「対する白陣営、愛らしき二人の少女をつれた青年……かと思えばリーダーは魔女のようなお嬢さん! チーム、ニャル・アゾート!」

 客席に手を振りながらニャルに話しかける。

「自分の名前をチーム名にしたのか?」

「あれ名前を書くとこだと思ってた」

「なるほど……」

『では、今回の食材は……ルーレットスタート!』

 画面の中でルーレットが動きだし、赤いマスに止まる。そこに書いていたのは……

「今回の食材はリンゴだぁー!」


 *


 席について溜息をつく。祭りが三人のチーム戦だったから成り行きで巻き込まれてしまった。

 男なら食べるだろうという理由でニャルは俺と先生を指名した。先生はもちろん断り、智野を指名したが……彼女の腹はそこまで強くない。

 仕方ないとばかりにコカナシが選ばれたのだ。

『リンゴはまるごと出されます、芯は残しても構いませんが皮は食べきってください。テーブルに置いてある調味料以外の食材を使用してはいけません。

 もちろん今のルールに無い事はなんでもあり! では……スタート!』


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