プロローグ A side
コンコン、コンコン
私は控えめにドアをノックする。どんな人が出てくるのかな?ここに行くように言ってくれたのはお母さんだから変な人ではないと思うけど・・・
でも、お母さんはその人のことを超鈍感の錬金術バカとしか言ってなかったしなぁ・・
その時、中から「あう?」という寝起きのような声が聞こえた。その数秒後にドアが開いた。
中からはエルフ特有の尖った耳を持った長身の白衣を着た男の人が出てきた。
かっこいい・・・・その人は200cmぐらいの身長で手足も長い。
でも目につくのはオールバックにしてある紺色の髪だ。そして私は挨拶をする。
「こんにちは。この度こちらに錬金術の勉強に来たアリアです。よろしくお願いします。」
と、私が言うとその男の人はなめ回すように私を見たあと口を開いた。
「えっと・・この錬金術促進部の部長をやってるユリウスです。この尖った耳でもわかるようにエルフ族です。今は250歳くらいかな?国家錬金術師をやってます。よろしく。」
私は興奮していた。だって、この国に数えるほどしかいない錬金術師に会えたんだもの!
そして、私が部屋の中に入ろうとするとユリウスさんが入り口を塞ぐ。
「ちょっと今朝早くから起きて掃除しているんだ。だから・・・・・・」
私は遮って言う。
「別に気にならないです。早く錬金術を教えて下さい!!」
「・・・・・・・わかったよ。じゃあ入って。」
部屋の中にはところ狭しと本で見たことしかないような錬金術の道具がおいてあった。
私はユリウスさんに許可をとると近くにあった道具を見ていった。
「さて、もうさすがにいいかな?」
いつのまにか結構な時間が過ぎていたらしい。
ユリウスさんはどこから持って来たのか紅茶を飲んでいた。
「はい!すいません。素晴らしいものばかりだったのでつい・・・」
私がそう言うとユリウスさんは私をまじまじと見つめていた。上から見下ろされているとなかなか怖い。私は声が震えないように気をつけながら言った。
「どうかしましたか?」
「何でもない。じゃあ錬金術について教えよう。まずは、錬金術の現在の状況は知ってる?」
私は首を横に振って答える。遠くからやってるのを見たことがあるだけだ。
「では、教えよう。まずはそこに座って」
私は指を刺された椅子に座った。
「まずは、この国の歴史から話そう。この国は・・・・・・・・・