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GOOD LUCK  作者: risiyakaea


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第15話『絶対強者』

「ロードヲタオストハ、オマエヤルナ」


森を揺らすような低い声が響いた。


タクミとリナは同時に振り向く。


そこに立っていたのは――


異形のゴブリン。


全身を硬質な筋肉に覆い、赤黒い双眸が獲物を舐めるように光っている。


ゴブリンロードすら子供に見えるほどの威容。


そして――


その腕には、ぐったりとした女性が抱えられていた。


「……ッ」


アンナだった。


白い首筋を赤い血が伝い落ち、地面にぽたりと落ちる。


「アンナさん……!」


タクミの胸が締め付けられた。



「タクミ」


リナの声がわずかに震える。


「あれは……ゴブリンキング」


「依頼ランクA相当。普通はAランク以上の冒険者で討伐隊を組む相手よ」


タクミの喉が乾く。


「Aランク……」


だがリナの視線は、さらに険しくなっていた。


「でも……」


「魔物が話すなんて聞いたことがない」


リナは低く呟く。


「あれは普通のキングじゃない」


「依頼ランクS……」


一瞬の沈黙。


「……下手したらEX相当」


「そんな……」


タクミは短剣を強く握りしめた。


ゴブリンキングの視線がリナへ移る。


ゆっくりと舌なめずりをする。


「イイオンナ……」


濁った声が響く。


「サキノコレヨリモ……ヨサソウダ」


キングは、腕に抱えていたアンナを――


無造作に地面へ投げ捨てた。


ドサッ


その体は、もう動かなかった。


「オマエモ……」


キングが歪んだ笑みを浮かべる。


「コノオンナノヨウニシテヤル」


リナがわずかに後退る。


普段は冷静な彼女の瞳にも、明らかな恐怖が浮かんでいた。


「やめろぉぉぉッ!!!」


タクミは叫び、地面を蹴った。


全力でキングへ突っ込む。


短剣を握りしめ、渾身の力で振り抜いた。


ガキィィィン!!


金属がぶつかったような音が響く。


「……なっ!?」


衝撃が腕に返り、短剣が弾かれた。


キングの皮膚は――


まるで岩のようだった。


(刃が……通らない!?)


手が痺れる。


タクミは思わず後退った。


キングが鼻で笑う。


「ナンダ……カスガ」


低い声。


「ムシケラガ」


次の瞬間。


キングの腕が振られた。


ドンッ!!


「うわぁっ!」


タクミの身体が吹き飛ぶ。


地面を転がり、何度も土を跳ね上げた。


息が詰まる。


全身が痛い。


(ダメだ……)


(全然通じない……)


膝が震える。


(俺じゃ……)


その場に崩れ落ちそうになる。


その間にキングはリナの顎を掴み、顔を引き寄せていた。


「イイオンナ……」


歪んだ声。


「タノシミダ」


「くっ……!」


リナが歯を食いしばる。


その光景を見た瞬間――


タクミの胸に、熱い何かが突き刺さった。


(やめろ……)


(リナを……)


(俺の……大切な人を……!)


震える膝を無理矢理立たせる。


短剣を握り直す。


(怖い……)


(でも……)


(ここで諦めたら――)


(全部終わる!)



タクミは再び走った。


キングの腕へ向かい――


渾身の力で短剣を振り下ろす。


その瞬間。


頭の奥に、澄んだ声が響いた。


【ラッキーストライクが発動しました】


「ッ!?」


タクミの瞳が見開かれる。


短剣はまたしても――


キングの皮膚に弾かれた。


だが。


次の瞬間。


キングの表情が歪んだ。


「グガァァァァァッ!!」


突然、絶叫する。


何も起きていないはずの腕を押さえ、苦しむ。


「ナニヲ……シタ……」


キングは自分の腕を見つめる。


「ナゼ……キズハナイ……ノニ……」


そこには、確かに傷はない。


だがキングは、明らかにダメージを受けていた。


その隙に。


リナが身体を捻る。


地面へ転がり、キングの腕から逃れた。


キングの目がゆっくりとタクミを睨む。


「キサマ……」


瞳に浮かぶのは――


怒り。


そして、わずかな恐怖。


「ゼッタイニ……ユルサン……」


キングが咆哮する。


「オマエラァァァァァ!!」


森が震える。


木々が揺れ、土煙が舞い上がった。

読んでいただきありがとうございます。

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毎日更新予定です。

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