第14話『刃の誓い』
すみません、忙しくてこちらが3/24更新分となります。
本日はあと1話更新致します。
「私が周りを抑える」
リナが短剣を抜いた。
「タクミはロードを」
タクミは頷く。
「ああ」
(俺が……やるしかない)
⸻
ゴブリンロードが低い唸り声を上げる。
巨体はタクミの倍以上。
腕は丸太のように太く、手には歪んだ棍棒が握られている。
その周囲では、数体のゴブリンが甲高い声を上げていた。
「ギギャア!」
次の瞬間――
リナが動いた。
一瞬で距離を詰め、短剣が閃く。
ザシュッ
ゴブリンの喉が裂け、血が噴き出した。
「タクミ!」
リナが叫ぶ。
「こっちは任せて!」
タクミは前を見据える。
(ロードに集中しろ)
リナの教えが脳裏に浮かぶ。
『相手の肩と腰を見て、動きを読む』
(落ち着け)
(あの時より……見えてる)
⸻
ゴブリンロードが突進した。
ドンッ!
地面が揺れる。
「ッ!」
タクミは横へ転がる。
棍棒が地面を叩きつけ、土が爆ぜた。
(速い……!)
巨体のわりに動きが鋭い。
だが――
(近づけ)
短剣のリーチでは距離を詰めるしかない。
タクミはロードの側面へ回り込む。
「ハァッ!」
短剣を振る。
ザシュッ
刃が皮膚を裂き、血が飛び散った。
だが――
(浅い)
「グオオオォォ!!」
ロードが怒り狂う。
巨大な肘が振り回された。
「くっ!」
タクミは後ろへ跳ぶ。
だが左腕を掠めた。
鈍い痛みが走る。
(焦るな……)
深く息を吐く。
構え直す。
「タクミ!」
遠くでリナの声が響く。
「足運び!」
タクミははっとする。
(そうだ)
(前後じゃない)
(左右だ)
タクミはステップを変える。
半円を描くように動く。
ロードの視線が追いつかない。
ほんの一瞬。
隙が生まれる。
(今だ)
タクミは踏み込んだ。
ザシュッ!
短剣が太腿を切り裂く。
「グガァッ!」
ロードの膝が揺れる。
巨体がぐらついた。
棍棒が振り下ろされる。
「ッ!」
タクミはローリングで死角へ潜り込む。
そのまま――
脇腹へ突き刺す。
グサッ!
「グガァァァッ!!」
ロードが絶叫する。
棍棒が手から落ちた。
ドンッ、と地面に転がる。
息が荒い。
全身が熱い。
(けど……)
(やれる)
胸の奥で火が灯る。
(俺は……やれる!)
タクミは一気に踏み込んだ。
「これで……終わりだ!」
ロードの背後へ回る。
そして――
短剣を振り上げる。
「ッ!」
首筋へ突き立てた。
ザシュッ!
ゴブリンロードの巨体が揺れる。
膝をついた。
「グ……グ……」
血を吐きながら、それでも睨んでくる。
だが――
次の瞬間。
巨体が崩れ落ちた。
ドォン……
ゴブリンロードは動かなくなった。
⸻
タクミは膝をついた。
荒い呼吸が止まらない。
リナが近づいてくる。
「見事だった」
肩を軽く叩く。
「タクミ」
タクミは短剣を見る。
血に濡れた刃。
(俺は……)
(俺の力で乗り越えたんだ)
⸻
静寂。
血の匂いだけが、集落に漂っている。
そのとき――
「ロードヲタオストハ、オマエヤルナ」
読んでいただきありがとうございます。
初投稿ですので、ブックマークや評価をいただけると励みになります。
毎日更新予定です。
時間は不定期とさせていただきます。




