表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/16

第六話 『人』とはなにか

 エミリア様の部屋に残された私は、テーブルの隣の椅子に座らされた。エミリア様も椅子に座る。

 「まず、フランツェスカ様、あなた、少し前に、リーゼロッテ様のこと、アーデルヘルム様のこと、交尾相手と言ったでしょう。」

 エミリア様、悲しそうな顔をしている。それ以来、言ってないのにもかかわらず。

 「ごめんなさい、エミリア様。あの、悲しいですか?」

 ああ、私、あの時、そんなに悪いこと言ったんだ。

 「あのときは鞭を取り出して、ごめんなさい。」

 「いえ、私が言ってはいけないことを言ったので、エミリア様が悪いことは絶対にないです。」

 「では、なぜ!なぜ、そう言ってはならないかはわかりますか?」

 どうしよう、わからない。

 「わかりません。」

 そう言うと、また、エミリア様は悲しそうな顔をした。

 「良いですよ。フランツェスカ様、これから、ちゃんと、『家族』について、学んでいきましょう。」


 「まず、フランツェスカ様、『人』とはなにかわかりますか?」

 「『人間』とは違うのですか?」

 「はい、あなたの言う『人間』とは、きっと魔法が使えない、私達のことでしょう。では、あなたにとって、『シルフ』とはなんですか?」

 シルフ…とは、そんなの考えたこともなかった。でも、今までの私たちの扱いを考えると、導かれる結論は…

 「『人間』の言う通りに働いて、大きくなったら、交尾して赤ちゃんを作ったり、魔石を取り出されて砂になるものです。」

 「違います!違う!そんなはずない!」

 エミリア様は、苦しそうに叫んだ。エミリア様をまた悲しませてしまった。

 「良いですか、『シルフ』は、フランツェスカ様は、『人』です。『人間』の仲間です。自分でお話できるでしょう?エルフリーデ様は、あなたを『妹』と言っているでしょう?『人間』と同列の知性を持つ、『人』なんですよ!」

 エミリア様はずっと悲しそうだ。そう言うと、エミリア様は、呼吸を整えた。

 「まず、『人』とはなにかのお話をしましょう。『人』とは、考える力を持つもの、つまり、『人間』と『魔法種族』です。『魔法種族』の中に、『シルフ』、つまりあなたが含まれます。」

 どうやら、私は『人』らしい。

 「『人』は『人』に優しくしなければなりません。フランツェスカ、つまり…相手が意思と主体性…つまり、悲しませたり、苦しませたり、ましてや命を奪うようなことはあってはなりません。」

 では、今、エミリア様を悲しませている私は…私はきっとすごくだめなことをしているのだろう。

 「ごめんなさい。」

 それしか言えない。エミリア様を悲しませたくないのに、エミリア様には喜んでほしいのに、全然できない。

 「…今日はここまでにしましょう。さて、お昼ごはんの時間ですよ。」

 エミリア様は笑顔を作ってそう言った。無理しているのは、私にもわかる。なんで笑っているのだろうか。悲しそうなのに…

 「私はお昼ごはんが楽しみです。朝のマッシュポテトは美味しかったです。」

 エミリア様のマネをして、私も嬉しくなくても笑顔を作った。そうすれば、もしかしたら、エミリア様も喜んでくれるかもしれないと思ったからだ。

 「ええ、それでは子供部屋に移動しましょう。」

 エミリア様は笑った。でも、悲しそうだ。


 私はご飯を食べる部屋に向かった。

 先にルート様が座って待っている。フリーダ様はまだイストニーチク語の勉強中のようだ。

 しばらく待っていると。フリーダ様がやってきて椅子に座った。フリーダ様は少し疲れている?

 そして、ニクシー様により、前には白い塊が置かれた。

 「至高なる者の慈しみに感謝して…」

 「「「「いただきます。」」」

 この挨拶にも慣れてきた。

 「これはミルヒライスと呼びます。」

 「はい。」

 また、初めて食べるものだ。今度はどんな味がするのだろう…味は、なんかすごく美味しい。毎日美味しいものが食べられて嬉しい。

 何回か口にミルヒライスを入れたときだった。

 「…フランツェスカ様、食器に頭を近づかせないで、食べてください。」

 すこしだけ、驚いた顔で、ニクシー様が私に言った。

 「はい。」

 これは、難しくなった。フリーダ様の洋服を汚したくないし、頑張らないと。

 なんとか汚さずに食べきった。

 そして、フリーダ様はエミリア様の部屋に、私はクラウス様の部屋に向かうことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ