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第四話 初めての『家族』

 入門式のあと、私、フランツェスカは居館に移動した。

 見渡すと、アーデルヘルム様、リーゼロッテ様、カーティス様、エミリア様と人間が三人しかいない。

 「これより、フランツェスカの家族の受け入れの儀を行う。」

 アーデルヘルム様の言葉にみんなが拍手するので、私も拍手することにした。

 「フランツェスカ、ご挨拶を。」

 アーデルヘルム様の言葉に応じて一歩前に出る。

 「フランツェスカ・ヴァルヴィンド・フォン・シュヴァルツヴァルトと申します。よろしくお願いします。」

 また、拍手が起こる。

 「これより、家族による祝福の儀を行う。フランツェスカ、挨拶されたら、跪くんだ。」

 「はい。」

 「まず私から。アーデルヘルム・マルクグラフ・フォン・シュヴァルツヴァルトと申します。さあ、跪いて。」

 言われたとおりに跪くと、アーデルヘルム様は私の頭に手を乗せた。乗せられた手はおおきくて、なんか安心した。

 「さあ、立って良いよ。それを繰り返すんだ。」

 次にリーゼロッテ様が私の前に立った。

 「私はリーゼロッテ・エウゲニア・フォン・シュヴァルツヴァルトと申します。」

 そして、私は跪く。リーゼロッテ様の手は、アーデルヘルム様よりも小さくて、でも優しかった。

 次に人間が目の前に来た。

 「私はワルフリード・マルクグラフ・フォン・シュヴァルツヴァルトです。シュヴァルツヴァルトの長男です。」

 私は跪いた。ワルフリード様は私の頭に恐る恐る手を乗せた。

 「私はエルフリーデ・ヴィクトーリア・フォン・シュヴァルツヴァルトと申します。」

 あの、洋服を貸してくれたエルフリーデ様だ。私は跪いた。エルフリーデ様は頭に手を置くのに乗じて、何故か手を動かした。

 「エルフリーデ様、撫でないでください。」

 エルフリーデ様がエミリア様に叱られている。

 「私、ルドヴィッヒ・ベンジャミン・フォン・シュヴァルツヴァルトです。」

 ルドヴィッヒ様は小さな人間なので、頭が下の位置になるように跪いた。ルードヴィッヒ様は、頭の上にぽんと手をおいた。

 「これより、フランツェスカがシュヴァルツヴァルトに名を連ねるものであるとここに宣言する。」

 そうして、カーティス様が、何かを持ってきて、アーデルヘルム様が何かを書いている。

 そんな中で、私が立っていると、首に何かをかけられた。

 そして、青色の布を布を肩に巻かれた。

 みんなが拍手する。エミリア様は涙ぐんでいる。

 「これで、フランツェスカの家族の受け入れの儀は閉幕とする。」

 アーデルヘルム様の宣言でその会は閉じられた。


 私はエミリア様に連れられて、別の部屋に連れてこられた。

 そしたら、一人の人間が立っていた。

 「ごきげんよう、私、フランツェスカ・ヴァルヴィンド・フォン・シュヴァルツヴァルトと申します。」

 そしてカーテシーを行う。

 「ごきげんよう、フランツェスカ様。私、これより、フランツェスカ様とエルフリーデ様のナニーを務めさせていただく、ニクシーと申します。」

 そして、ニクシー様は、カーテシーをした。

 ニクシー様に連れてこられて、中に入ると、ルドヴィッヒ様と、エルフリーデ様が、椅子に座っていた。

 「フランツェスカ!」

 エルフリーデ様は椅子から立ち上がって駆け寄ってきた。

 「エルフリーデ様、ごきげんよう。」

 私はまた、カーテシーをした。

 「ごきげんよう、フランツェスカ。あなた、フランツェスカっていうのですね。」

 「エルフリーデ様、お洋服を貸してくれて嬉しかったです。」

 「お姉様として、当然の努めです。」

 エルフリーデ様は笑顔を浮かべた。

 「あと、私のことはフリーダと呼んでください。あと、ルドヴィッヒのことはルートと呼ぶとよろしいですよ。」

 フリーダ?ルート?…どういうことだ?

 「フリーダ様、フランツェスカ様はまだ、ニックネームを知らないのです。」

 「そうなのですか?では教えて差し上げますね。フランツェスカ、エルフリーデって長いですよね?」

 そうかな?わからない。

 「マスターよりは長いかもしれないです。」

 「マスター?あなた、職人さんですか?」

 「工場で暑いときは働いてました。」

 エルフリーデ様もニクシー様も驚いている。

 「工場で働くなんてあり得るのですか?確か、私の生まれる前には11歳にならないと働かせては」

 「フリーダ様!!」

 ニクシー様が声を少し荒げる。

 「すみません?」

 エルフリーデ様は、とりあえず謝ったが何が悪いのかわからないという表情をしている。私も、なんでエルフリーデ様が怒られたのかがわからない。

 「とにかく、エルフリーデやルドヴィッヒより、フリーダや、ルートのほうが呼びやすいでしょう?だから、フリーダとルートとぜひ呼んでくださいませ。」

 どうやら、よほど、フリーダとルートと呼んでほしいそうだ。

 「わかりました。フリーダ様。」

 「よろしくお願いしますね。フラン。」

 フラン?誰のこと?

 「フラン様、フランツェスカ様をフランと呼びたいのでしょうが、まだ、名前を与えられてから、日が浅いので、一旦、フランツェスカとよんでください。」

 ニクシー様に言われて、フリーダ様はなにか考え込んでいる。

 「わかりました。ニクシーさん。」

 「さあ、夕ご飯にしましょう。」

 

 夕食の時には、フリーダ様とルート様といっしょに机の前の椅子に座るように言われた。

 「至高なる者の慈しみに感謝して…」

 ニクシー様が聞き慣れない言葉を言っている。

 「「 いただきます。」」

 フリーダ様とルート様がなにか言っている。

 「いただきます。」

 私もそれに続くことにした。

 人間とニクシー様が、机のそばに立っている。

 私の目の前に出されたものは、よくわからないものだった。白くてドロドロしたもの…食べるの?どうやって?

 「まずはこのスプーンを持ってください」

 「はい。」

 ニクシー様に言われるがままに先端が丸い金属の棒の丸い部分を持った。

 「フランツェスカ様、持つのは逆の先端です。」

 「僕はできるよ。」

 ルート様はできるようだ。さすがシュヴァルツヴァルトなのだろうか。

 「ルート様、お食事中はお静かに!」

 ルート様が人間に叱られた。

 金属の棒の部分を持って、どうすれば良いんだろう?

 「丸い部分に食べ物を乗せて、それを口元に持っていってください。」

 「はい。」

 言われたとおりに、白いドロドロを丸い部分に乗せて、口に運ぼうとするも、難しい。顔をドロドロに近づけて、口に入れる。少しピリピリして、ドロドロしている。

 それを見て、フリーダ様は驚いている。

 「ヨーグルトがなくなるまで、それを繰り返してください。」

 言われたとおりになんとか、白いドロドロことヨーグルトをスプーンに載せて口に入れて飲み込むのを繰り返す。

 そうすると、やっとお皿が空になった。

 「これから、毎日、スプーンの練習をしましょうね。」

 「…はい。」

 これから、毎日スプーンか…道のりは険しい。

 みんなのお皿も空になった。

 

 その後はお風呂に入って、風を浴びた。

 お風呂の後は、読み聞かせの時間だ。今日は魔物退治のお話をニクシー様に読んでもらった。

 その後は、フリーダ様と同じお部屋の違うベッドで寝た。

 これから、私はどうなるのだろうか。


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