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第11話 ウンディーネの宿

病院での診察が終わって診療所から出ると、ゾヤ様が待っていた。

 「この箱…お薬も借りてきたみたいだね。」

 「はい、聖遺物をお借りしてきました。」

 「もう暗くなりそうだし、この里にみんな止まっていきなよ。まあ、豪華な宿なんてないけど、馬車くらいなら面倒見るよ。あと、護衛なら私がやる。」

 「「ありがとうございます。」」

 ニクシー様と私はお礼を言う。

 「あの、護衛の方とお馬さんは…どうされてますか?」

 「兵舎にいてもらってるよ。ゲロルトが見張っているはず。」

 「ありがとうございます。」

 「何から何まで、なんとお礼を言って良いのやら。」

 「良いってことよ。シュヴァルツヴァルトには結構お世話になっているし。」

 シュヴァルツヴァルトはウンディーネたちにも良くしているらしい。よし、もっとお勉強頑張って、ウンディーネたちの役にも立っちゃうぞ!


 しばらくして、私達は宿についた。

 「「「お邪魔します。」」」

 宿にはみんなで挨拶してエントランスに入る。

 「あら、ゾヤ、ニクシー…あとこの子は、シルフじゃないか!?お名前は?」

 ウンディーネの女性に話しかけられた。この宿のオーナーだろうか。

 「フランツェスカ・ヴァルヴィンド・フォン・シュヴァルツヴァルトです。よろしくお願いします。」

 「シュヴァルツヴァルト…まあ良いや、挨拶できて偉いね。」

 「ありがとうございます。」

 ゾヤ様が台帳を確認する。

 「女将さん、私達以外は今日は来ていないのか?」

 「独り占めよ。でも、ここに人間が泊まることってめったにないから、パンしかないや。それじゃあ、ニクシーお腹すいちゃうわよね。あなたー、私、ここを離れられないから、ちょっとお魚釣ってきてくれる?」

 女将さんと呼ばれたウンディーネは誰かに呼びかけている。」

 「良いですよ、女将さん。」

 そうすると、ウンディーネがもう一人やってきた。

 「おお、ニクシーとゾヤと、あと、シルフの子は!?」

 「フランツェスカちゃん。」

 女将さんがウンディーネの人に答えた。

 「旦那様、ご無沙汰しております。」

 「おお、ニクシーか。あの、人間の村で一番の熱心な水神信者の女の子が今は、帝国貴族の召使とはな。で、その、フランツェスカちゃんって何者だ?」

 「シュヴァルツヴァルトの養子です。」

 「シュヴァルツヴァルト…魔法種族を帝国の貴族が養子に!?マンミンガムでは一体何が起こっているのだ!?」

 旦那様と呼ばれたウンディーネはひどく驚いた。アーデルヘルム様が私を引き取ったことがなぜかは私にもわからない。

 「マンミンガム帝国では、魔法種族の奴隷が解放されたのです。」

 「…そうか。」

 「ようやくなのね。」

 ニクシー様の言葉に二人のウンディーネはため息をついた。

 「まあ、魔法種族がいる、シュヴァルツヴァルトのチェルノレスには、下手にイストニーチクも手出しはできまい。戦士の私から見ても、シュヴァルツヴァルトの当主様は相当な策士だな。」

 ゾヤ様の言葉にみんな頷く。…私だけが何を言っているのか、わからない状況だ。勉強を続けていけばわかるようになるのだろうか…


 その後は、部屋ではなくて、食堂でご飯を食べることになった。

 そこでゾヤ様とニクシー様とも一緒にご飯を食べる事になった。フリーダ様やルート様とはいつも一緒に食べるけど、ニクシー様といっしょにご飯を食べるのは初めてだ。

 「はいおまたせ。フランツェスカちゃんとゾヤにはチーズパン。ニクシーちゃんには加えて、鯉の塩焼きだよ。」

 女将さんが目の前に出来立ての料理を並べていく。チーズパンからは湯気が立ち上っていて、食欲がそそられる。

 「そんな、私ばかり。それに、従者の身分で主人よりも豪華なものを目の前で食べるなんて…」

 人間って、私達、魔法種族よりもいっぱい食べなければならないから、人間のニクシー様が私達より食べてないと思うと、私は心配になるけど…

 「でも、人間は魔法種族よりもたくさん食べなきゃだめよ。もし、フランツェスカちゃんより良いの食べるのが申し訳ないなら、フランツェスカちゃんには食後のハーブティーにキャラメルを追加で出しておくから。」

 それを聞いて、ニクシー様は嬉しそうな顔をした。

 「水神の恵みに感謝します。」

 「ほら、冷めると美味しくないよ、早くお食べ。」

 湯気が出ているものは初めて食べる…美味しいのかな?

 「「「いただきます。」」」

 そう言って、私達はご飯を食べ始めた。

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