表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜勤族の妄想物語3 -6.あの日の僕ら2~涙がくれたもの~-  作者: 佐行 院


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/83

84

亮吾は真帆にタジタジだった・・・。


-84 必死な娘との楽しみ-


 亮吾は娘から投げかけられたまさかの台詞にたじろいでいた。


亮吾「い・・・、いや、そう言う訳では・・・。」


 その様子を見逃さなかった守は急いで恋人の父親の肩を持った。


守「認めてくれているみたいだよ、救急治療室で握手もしたから。」


 守の言葉に安心した真帆は大きく深呼吸して落ち着きを取り戻した。


挿絵(By みてみん)


真帆「だったら良いんだけど・・・、何かごめん・・・。」

亮吾「良いんだ、元々パパの守君を責める様な言い方が悪かったからね。」


 親子が談笑している所に警視総監が横から口出しをした。


龍太郎「亮吾、それは良いんだがお前は何しに来たんだ?まさか、昔みたいにサボりに来たんじゃないだろうな。」

亮吾「おっと、俺も用事を忘れてたから龍さんの事言えねぇな。一応守君の様子を見に来たんだけど退院の予定を伝えに来たんだよ。」


 医師の言葉に1番に反応したのは娘だった。


真帆「パパ!!守はすぐ退院出来るの?!」

亮吾「真帆・・・、焦っちゃ駄目だよ。まだ何が起きるか分からないから用心は必要だけどそうだな・・・、5日後には退院出来るんじゃないかな。」


 亮吾が言った退院予定までの期間は真帆が思ったよりも長かったらしい。


真帆「何でそんなにかかるの?」


 娘の質問に冷静に答える父。


亮吾「食事とか元の状態に慣れるまで時間がかかるんだよ、真帆が守君とデートに行きたいって毎日の様に家で言ってたのは覚えているけど守君の体の事もちゃんと考えてあげないとね。分かったかい?」

真帆「うん、真帆待ってる。」

亮吾「良い子だ、後で苺ミルクを買ってあげよう。」


 亮吾にとって真帆は何歳の扱いなんだろうか、ただ真帆にとって問題はそこでは無かったらしい。


真帆「真帆もう子供じゃないもん、大人だもん・・・。」

亮吾「うん、分かっているよ。大学も卒業したしちゃんと免許も取ったもんな。」

真帆「だから苺ミルクじゃなくて缶ビールが良い・・・。」

守「そっちかい!!」


 子供扱いしないで欲しい、もう物を与えたら許すと思わないで欲しいと言うと思っていたらまさかの物品の変更、守は思いっきりツッコミを入れてしまった。


亮吾「ハハハ・・・、そうやってツッコミを入れる事が出来たらもう退院は近いな。」


 守の言動に安心した亮吾、しかし油断は出来ない。


亮吾「でも手術をしてから間もないからいきなり常食は出せないよ、まずはお腹に優しい食事から摂って貰うからね。」

守「はい・・・、分かりました・・・。」

亮吾「どうした?何かあったのかい?」

守「いえ、ただ今夜の献立がトンカツとポテトサラダだったんで。」

亮吾「ポテトサラダはともかく、トンカツは今の君には重いと思うけどね。退院してから思いっきり食べなさい、今度美味しい串カツ屋さんを紹介するから真帆と行くと良い。」

真帆「デートの楽しみが増えたね、守。今はその為に我慢だね。」


 真帆は守の背中を強めに叩いた。


守「痛ってぇ!!先生、今のは良いんですか?!」

亮吾「愛情表現って言う事で良しとしようか。」

龍太郎「お前は相変わらず娘に甘いな・・・。」


 病室は一気に和やかな雰囲気に包まれた、これがいつまでも続くと良いのだが。


これからどうなる?!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ