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夜勤族の妄想物語3 -6.あの日の僕ら2~涙がくれたもの~-  作者: 佐行 院


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79

龍太郎の言葉に感動する豊。


-79 翌日の運命-


 煙草を燻らせる龍太郎の横で豊は泣き続けた。


龍太郎「良いか豊、他の奴にも言った事だがこれだけは覚えておけ。お前が努力した事を知らない訳じゃ無い、ただ決してお前1人の力ではないという事を覚えておけ。周りの人間がいるから今のお前がいるんだぞ、そして俺は決してお前を1人にしねぇ、見捨てねぇ。」


龍太郎と剛毅の電話は繋がっていたらしく、電話の向こうで剛毅はずっと泣いていた。


剛毅(電話)「龍さん、本当にありがとう。あの時決心して本当に良かったよ。」


 剛毅の泣き声がずっと続く中、龍太郎は豊に尋ねた。


龍太郎「そう言えばお前、最近何の仕事をしているんだ?何処の祭りに行っても見かけねぇじゃねぇか。」


 龍太郎に答えようとする豊の横から美麗がテレビを指差しながら口を出した。


挿絵(By みてみん)


美麗「パパ、それ聞く必要ないみたいだよ。」


 娘の指差していたテレビ上での報道番組で、ある特集が流れていた。


龍太郎「何・・・、「元暴力団組員が一念発起、綿菓子屋台店主の目線から学んだ経済学とは 貝塚学園大学経済学部長 渡瀬 豊教授」?!お前、本当に経済学者になったのか?!」

豊「はい、それで先日取材を行けたのでその報告にと・・・。」


 すると龍太郎は大粒の涙を流しながら電話の向こうの剛毅に話しかけた。


龍太郎「おい剛毅、テレビ見てるか?!やったな、お前の息子がやり遂げたぞ!!」

剛毅(電話)「ああ、こんなに嬉しい事は無いよ。龍さん、改めてありがとう。」


 ただ喜ぶのも束の間だった、特集の終了間際に流れた緊急ニュースに全員は絶句した。


テレビ「速報です、貝塚学園等を経営する貝塚財閥の筆頭株主である宝田真希子氏が死亡していた事が発覚しました。」

王麗「誰がこんな事を・・・、折角守君が遺書の通り騒がせない様にしていたのに。」


 龍太郎は急ぎ署長の姪家慎吾に電話した。


龍太郎「めっちゃん、どうなっているんだ!!どうして真希子さんの死亡が報道されているんだよ、あれ程流すなと言ってあったはずだぞ!!」

慎吾(電話)「警視総監、恐れ入りますが私も今知った所なんです!!」

龍太郎「何?!じゃあ一体誰が?!」


 焦る龍太郎に横から声を掛けたのは意外と冷静な守だった。


守「龍さん、あいつらしかいないよ。義弘派閥だ。」


 そう、犯人は先日自分達の保有していた貝塚財閥の全株を売った義弘派閥のあの2人、目的は経営陣を失脚させて財閥を乗っ取る事だった。

 そんな中、テレビでは近所で頻繁に起こっているある問題が取り上げられていた。


テレビ「次のニュースです、悲しくもまた被害者が出てしまいました。」


 実は数日前から守達の住む辺りで通り魔による無差別殺人事件が頻発していた。


王麗「怖いね、あんた達も今夜はよく辺りを見ながら帰るんだよ。」


 不要な心配だった、メンバー達はほぼ全員泥酔していたので朝帰りが確定していた。

 翌朝、守は真帆と共に朝帰りをした後で近所の図書館へと向かい事件について調べた。多くの新聞に義弘派閥の者によるものだと報じられていた。

 その帰り道での事、守は何者かに後ろからナイフを突きつけられた。


犯人「宝田 守、久々だな。お前の持つ株券を全て差し出しやがれ。」

守「その声は義弘派閥の・・・、そんな物持ってる訳が無ぇだろ。」


 守はこの言葉を言った瞬間、背中に一瞬激痛が走った。意識が遠のく中、真帆がずっと泣き叫んでいたのが見えていた。


真帆「守・・・!!守・・・!!」


どうなる、守!!

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