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夜勤族の妄想物語3 -6.あの日の僕ら2~涙がくれたもの~-  作者: 佐行 院


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美麗の意識が回復する時を静かに待つ一同。


-㊾ 早すぎる再訪と突然の知らせ-


 大学病院の救急治療室の前の廊下で美麗の復帰を今か今かと待っていた一同は、美麗の意識が戻ったという知らせを受けて治療室内へと向かったが結愛と光明はその場で足を止めた。


守「おい、何やってんだよ。」

結愛「俺達の所為で意識不明にしちゃったからやめておくよ、テレビのニュースで流れちまった事は間違いなく真実だからな。」

光明「折角意識を取り戻したのにまた迷惑を掛ける訳にも行かんだろう。」

守「そうか、取り敢えず様子見て来るよ。」


 自動ドアの向こうで数台のベッドが並べられ精密な医療機器に囲まれた室内、そこで美麗は呼吸器等の機器を外してテレビのニュースを見ていた、どうやら未だに結愛が死者である事を受け止める事が出来ていないらしい。


挿絵(By みてみん)


美麗(日本語)「パパ、これ本当なの?結愛さん昨日店にいたじゃない、訳が分からないよ。全国ニュースが嘘ついているんじゃないの?」

龍太郎「美麗みれい・・・。」


 残念ながら報道されているニュースが嘘ではない事、そして結愛に聞いた通りの話を全て話した。


守「なぁ、美麗メイリー。今結愛に会えるなら会うか?」

美麗「うん、知らなかったとは言っても結愛さん達に失礼な事しちゃったもん。会って謝りたい、よいしょっと・・・。」


 無理くりにベッドから降りて歩き出そうとする美麗、しかし治療に耐えた体には余り体力が残っていなかった。


守「今は動かない方が良いんじゃないのか?俺、連れて来てやるよ。」

美麗「ごめん、助かるよ。」


 美麗を気遣い結愛達を呼びに廊下へと向かう守、本当に気遣いの出来る奴だ。

守は自動ドアを開けて廊下に出てはみたがそこに結愛達の姿は無かった、思い出したかのように催したので化粧室を探そうと歩き出すとある看護師が守に手紙を渡した。裕孝の母、小比類巻光江だ。息子の結婚式の翌日だと言うのにバリバリ仕事をしていた様だ。


光江「あ、守君!!ナースセンターに結愛ちゃんに似た子がこれを置いていったって聞いて持って来たんだよ。あんた宛だってさ。」

守「俺に?」


 手紙の封筒の表麺には「守へ」と、そして裏面に「貝塚結愛」と書かれていた。守は早速封筒を開いて中を確認した。


守へ

 美麗ちゃんには驚かせて悪かったって謝っておいてくれ、俺らは急な呼び出しがあったから帰るぜ。次はいつ来るか分からんが元気にしてろよな。あ、叔母様によろしく。

結愛


守「あいつ最近手紙にハマっているよな。」

光江「あの子は何だったんだい?」

守「ああ・・・、そっくりさんって奴じゃないのか?アイツ、読モもしてたじゃん。」

光江「ふーん・・・、なるほどね。」


 数日後、美麗が無事に退院して既に会社での仕事や店の手伝いを普段通りこなしている中、守は腰を痛めた真希子の為に給料から毎月地道に貯金して家のトイレを改装した。


真希子「悪いね、もう和式がキツかったんだよ。少し狭くなっちゃったけどありがとう。」

守「文句付きかよ、それより今から買い物行くんでしょ。暇だから俺も行くよ。」

真希子「じゃあ先にスルサーティーの所にいてくれないか?トイレに行ってから行くから。」

守「あれで行くのかよ、流石に目立つぞ。卒業式の時の事を忘れたのかよ。」

真希子「良いじゃないか、今日は気分が良いんだよ。」


 母に言われた通りに未だに周囲から目立つ愛車の横で待つ守、しかし20分以上待っていても母は出てこず、真希子の代わりに守に近付いて来たのはまさかの結愛だった。スーツ姿が相も変わらずの社長は何故か焼酎のロック片手に突然守の胸ぐらを掴んだ。


守「結愛お前、いきなり何だよ!!放せって!!」

結愛「何だって聞きたいのはこっちだよ!!何でおばさ・・・、お前の母ちゃんがあっちの世界にいるんだよ!!」


突然の意味不明な発言。

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