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夜勤族の妄想物語3 -6.あの日の僕ら2~涙がくれたもの~-  作者: 佐行 院


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手紙が来た事に久々の嬉し涙を流す守。


-㊽ 漏洩-


 結愛に渡された手紙にずっと感動の涙を流す守、行き方も分からない遠い世界でだが好美が生きている事を心から喜んだ。手紙に書かれている好美の意志に反してしまう思考だが、正直、「会いたい・・・。」

 真帆は体を小刻みに震わせて大粒の涙を流す守の肩に手をやった。


真帆「守、良かったね。」

結愛「お前充実してんな、いっぱいの女の子に囲まれてよ。」

龍太郎「お・・・、お前遂に二股か?」

守「そんな訳ねぇだろ、今の彼女は真帆だぞ!!」


 守の言葉に少し顔を赤らめる真帆。


真帆「それ、守の方から言うのは反則だよ。真帆がその言葉で守を煽るのが楽しいのに!!」

結愛「良いぞ真帆ちゃん、どんどん言ってやれ!!」


挿絵(By みてみん)


 すると調理場から後片付けを全て終わらせた王麗が出て来た。


王麗「さっきから見ないと思ったら父ちゃんもここにいたんだね?皆で楽しそうじゃないか、何の話だい?」

結愛「守がリア充の癖に彼女の目の前で別の女に発情してるって話だよ。」

守「ば・・・、馬鹿!!何言ってんだよ!!」

王麗「守、あんたも悪い子だね、真帆ちゃん泣いてるじゃないか。」


 よく見ると真帆の目からは雫が、そして王麗の手には目薬が。


守「やられた・・・、女将さんもやってくれんな・・・。」

真帆「えへへ、真帆の前で好美さんの事考えているからだよ!!」

王麗「女の涙は何よりも強いのよ、分かった?」


 裏庭で数人が談笑していると、店内から女性の大声が聞こえた。中国語で話されている事から察するに、声の主は美麗。


美麗(中国語)「何これ、どういう事?!」

龍太郎「何だアイツは、いきなり何言ってんだ。」

王麗「私が行ってみるよ、皆ちょっと待ってな。」


 王麗は声の方向へと歩き美麗に声を掛けた。


王麗(中国語)「何だい、大きな声出して、近所迷惑になっちゃうだろう。」

美麗(中国語)「ママ、これ・・・。」


 王麗は美麗が指差した方向に目をやった。


王麗(中国語)「これは・・・、騒動だね・・・。」


 意外と冷静だった王麗は裏庭に急いだ。


王麗(日本語)「結愛ちゃん、まずい事になったよ。皆もちょっと来てくれるかい?」


 裏庭のメンバーは王麗に連れられ美麗の座る回転テーブル席へと向かった、そして言われたままに店内のテレビを見た。


結愛「どうなってやがる・・・。」


 テレビに映っていたのは結愛含む貝塚財閥の数名の死亡が発覚したという報道だった、しかも原因不明の竜巻での事故だったとも伝えられていた。


結愛「まずいな、騒ぎにしたくなかったからこういう時の為に備えで遺書に俺が亡くなっても隠匿する様にと書いておいたんだがな・・・。誰だよ、こんな事したやつ。」

守「茂手木じゃないか、この前逮捕された腹いせに報道に圧力をかけて流したんだ。」


 ただ2人以上に驚く者が1人。


美麗「じゃ、じゃあ・・・、今目の前にいる結愛さんって幽・・・霊・・・?」

結愛「お、おい!!大丈夫かよ!!」


 その場に倒れた美麗は意識不明で病院に運ばれた後、周囲の人間の迅速の対応と医師による懸命な治療のお陰で一命を取り留めた。かかりつけ医によるときっと元の心臓だと助かってはいなかっただろう、移植された秀斗の心臓のお陰だとの事。


改めて秀斗に感謝する美麗。

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