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夜勤族の妄想物語3 -6.あの日の僕ら2~涙がくれたもの~-  作者: 佐行 院


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王麗は美麗に色々と言う事があったらしい。


-㊹ 赤かった、そしてまたやらかした娘-


 今日の主役以上に宴を楽しんだ娘を見た母は少し引き笑いをしながら連れて来てくれた「紫武者パープルナイト」に感謝した、美麗が宴を楽しんだ事は主役の1人である香奈子が誰よりも証明していた。


王麗「すまないね真希子、緊張していたからってこんなに赤くなるまで呑むなんてね。」

真希子「構わないさ、運転は趣味みたいなもんさね。」

王麗「お礼と言っちゃ難だが、2次会ではいっぱい呑んでおくれ。」

真希子「勿論そのつもりさ、じゃあこいつを置いて来るね。」


 真希子は再び排気音を響かせて家に帰って行った。


香奈子「それにしても美麗強いね、あんなに吞んだのに。」

王麗「そりゃそうさ、居酒屋の娘だからね。(中国語)あんた、父ちゃんの手伝いすっぽかしたね。父ちゃんキレてたよ・・・、今月と来月のお小遣い天引きだね・・・。」

美麗(中国語)「げっ・・・、嘘でしょ・・・。」


 勿論冗談である、ただ手伝う事を忘れていた事を反省させる為に言っただけだが効果は抜群らしい。


王麗(中国語)「じいちゃんまで来ているって言うのにどういうつもりだい。」

美麗(中国語)「余興で緊張してたの、仕方ないじゃん。それにもうほぼ素面だもん。」


 ふと王麗は店のカラオケで美麗が余興の練習をしていた場面を思い出した。


王麗(日本語)「あれ?そう言えば一緒に余興をしてた桃ちゃんはどうしたんだい?」


 美麗とは打って変るかのように香奈子と裕孝の肩を借りてふらふらと歩く桃。


王麗「あらあら、美麗と呑み比べでもしたのかね。烏龍茶でも持って来るから挟みな。」


 王麗は踵を返して調理場に戻った、右手で美麗の右耳を引っ張りながら。


美麗(中国語)「痛いよ、何すんの!!」

王麗(中国語)「反省させるためだよ、あんたまたやったね・・・。」


 そう、生前の好美と香奈子の引っ越しを手伝った時の様に美麗がまた王麗のトラックでドリフトしたらしく、実は地元の走り屋同士での会話はその噂で持ちきりだったのだ。


王麗(中国語)「あんた今度は山でやったんだってね、真希子に聞いたよ。事故したらどうするつもりだったんだい、それにタイヤがちびっているじゃないか。これは峠を走る用の車じゃないの、ビールを運ぶ用。あんたのはあれ!!」


 王麗が指差した先に紺色のカフェラッテが1台、興奮した美麗は日本語に戻った。


美麗(日本語)「納車されたんだ!!やった!!ちょっと乗ってこようかな。」

香奈子「美麗車買ったの?凄いじゃん・・・。でも今は駄目だって!!」


 まだ酒が抜けた訳では無い上、今から2次会が始まるというのに何を考えているのだろうか。そんな美麗を、鍋を洗い終えた父が出迎えた。


龍太郎「美麗・・・、かなりお楽しみだった様だな・・・。」

美麗「その声はパ・・・、パパ・・・。」


 王麗から演技する様に言われていた店主は少し重い口調で深くため息をついた。


龍太郎「はぁ・・・、終わってしまった物は仕方ないがお前の代わりに守と結愛ちゃんが手伝ってくれたんだぞ。礼言っておけよ。」

美麗「えっ・・・、読モの「YU-a」さんが?!」


 すると出入口から「YU-a」本人が声をかけた。


結愛「龍さん、全部運び終わったぜ。あっ、美麗!!今頃帰って来たんか、何て奴だ!!」

美麗「ごめんなさい、つい楽しくなっちゃって。」

結愛「桃、女将さんから烏龍茶だぞ。香奈子ちゃんはお色直しな。ほら、早く入れよ。」

香奈子「え?ここでもお色直しがあるの?」


 烏龍茶を飲んだ桃はすっかり元気を吹き返し、チャイナ服に着替えた香奈子が出て来た。


挿絵(By みてみん)


結愛「さて、2次会を始めますかね!!改めて裕孝、香奈子ちゃん、おめでとう!!」


やっと2次会が始まった。

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