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夜勤族の妄想物語3 -6.あの日の僕ら2~涙がくれたもの~-  作者: 佐行 院


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39/83

真美は頬を抓って現実だと実感した。


-㊸ 双子の相違点-


 目の前にいるスーツ姿の女性に驚きを隠せない双子の妹はその場で数秒程停止した後に目を輝かせ始めた、未だ現実を信じる事が出来ずにいた。


真美「あの・・・、貝塚財閥社長の結愛さんですよね?」

結愛「そ・・・、そうですけど・・・。」


 ぐいぐいやって来る真美に思わずたじろいでしまう結愛、何故か「大人モード」のスイッチが入ってしまった。


結愛「待って、君って確か喫茶店で働いてた守の彼女の・・・。」

真美「それは姉の真帆なんです、私達双子でして。私は妹の真美です。」


 すると出入口に姉の姿があった、彼氏が先に会場を出た事を知らなかったのでずっと顔をきょろきょろさせていた。ただどうしてこの2人が招待されたのかは分からないが。


真帆「守!!何で先に帰っちゃったの?!寂しかったんだから!!」

守「悪かったよ、龍さんに用があったから急いでたんだ。」

真帆「だからって真帆に一言も無いなんて酷い、ちょっとこっち来て!!」


 守が真帆に近付くと真帆は守の両手で顔を挟んでキスをした、寂しい思いをした分濃厚に交わした。


真帆「やっぱり・・・、大好き・・・。」

結愛「お前ら人前でよくやるぜ・・・。」


 結愛の声に反応した真帆は急に大人しくなった。


真帆「あ、この前の社長さんですよね。新しいオレンジジュース入ってますよ。」

結愛「助かるよ、君ん所のジュース美味いんだよな。」


 何気ない会話を交わす2人に割り込む様に真美が結愛に色紙を渡した。


真美「社長さん、サイン下さい!!」

結愛「やっぱり読モもしてみるもんだな、もう俺もすっかり有名人だよ。」

真美「読モってどういうことですか?」


 憧れの社長本人の前で目を丸くする真美。


真帆「すみません、真帆と違って真美はファッション雑誌は全く読まないんです、経済とビジネス系の雑誌ばっかりでして。」

真美「「今活躍する女性若社長」の取材記事読みました、いつか真美も貝塚財閥に入社したいです。」


 真美は懐から結愛の取材記事が載っている雑誌も取り出した、どうやら宝物として持ち歩いている様だ。


真美「お願いします、これにもサイン下さい!!」

結愛「嗚呼・・・、それなら・・・。」


 いつも通りの黒いスーツで写っているので龍太郎に白のマジックを借りて漢字で「貝塚結愛」と崩して書いた。


挿絵(By みてみん)


結愛「会社で会えるのを楽しみに待ってるからな・・・。」


 結愛が少しの罪悪感を持ちながら真美と握手を交わす中、聞き覚えのある排気音エキゾーストが鳴り響いた。


王麗「この音はまさか・・・。」

守「母ちゃん・・・。」


 2次会の準備を守や貝塚夫妻のお陰でやっと終わらせる事が出来た王麗が店の外に出た、駐車場には見覚えのある紫のスルサーティー。


王麗「真希子、どうしたんだい。あんた車置いてから来るって言ってたじゃないか。しかも走りに行った訳でもないのにこいつなのかい?目立つったらありゃしないよ。」

真希子「それ所じゃないのさ、ほら着いたよ。」

美麗「やったー、「紫武者パープルナイト」に乗っちゃったー。」


 そう、真希子は酒に酔った美麗を会場から送って来たのだ。母は頭が上がらなかった。


顔を赤らめる王麗。

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