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夜勤族の妄想物語3 -6.あの日の僕ら2~涙がくれたもの~-  作者: 佐行 院


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34/83

龍太郎も悟を許す事が出来なかった。


-㉟ 重要参考人の死者-


 龍太郎は携帯を握る手の力を強くした、我原 悟が余りにも自己中心的な理由で自分の娘と呼んでいた好美を殺したからだ。

 今回の事件、全ての犯人は最初から工場長の我原 悟と分かってはいたが犯した罪が余りにも酷すぎる。


慎吾(電話)「あの・・・、警視総監、聞こえてますでしょうか?」

龍太郎「ああ、悪い。続けてくれ。」

慎吾(電話)「入金があった日はトラックの消失事件が起こった日と同じだったんです。」


 これも龍太郎の予想通りだった、風の噂で現場である貝塚技巧がずっと経営難に陥っている事を聞いていたからだ。


龍太郎「という事はトラックを売って作った7000万を・・・。」

慎吾(電話)「義弘の口座に入れたという事になりますね。」


 しかし、どうしてそこまでして入金をする必要があったのだろうか。

 そんな中、温めなおした油淋鶏定食を完食した結愛は1人裏庭に向かった。守が後を追うと食事を終えた社長は出てすぐの所にあるベンチに座って煙草を燻らせていた。


守「お前、煙草吸うんだな。」

結愛「守いたのかよ、迷惑になると思って人の前では吸わない様にしてたんだけどよ。」

守「分かるよ・・・。」


 そう言うと守もポケットから煙草を取り出して咥えた。


結愛「お前もかよ、ほら・・・。」


 結愛がそう一言告げてライターの火を近づけると守はゆっくりと吸い始めた。


守「悪いな、でかい会社の社長さんに火を付けて貰えるとは思わなかったよ。」

結愛「今はそんなの関係ねぇよ、俺らはただの友達だろ。それに俺の方が謝らないといけないんだからよ。」

守「なんでお前が謝るんだよ。」

結愛「当たり前だろうが、うちの子会社の人間がお前から好美ちゃんを奪ったんだぞ。」

守「悪いのはお前じゃなくて工場長だろ、あの顔を思い出すだけでも腹が立って来るぜ。」


 2人が煙草を楽しんでいると店から真帆が出て来た。


真帆「守もゆ・・・、結愛さんも煙草吸うんだね。」

結愛「ああ・・・、真帆ちゃんだっけ。消そうか?」

真帆「いや、大丈夫だよ。」


 そう言うと真帆も懐から煙草を取り出して吸い始めた、守には黙っていたかったらしいがこの際構わないかと思ったからだ。


挿絵(By みてみん)


真帆「守は煙草を吸う彼女は嫌?」

守「そんな事無いよ、どっちかというと黙っていた事の方が嫌だ。」

真帆「そう、良かった。」


 そんな会話を交わしていると龍太郎が店から出て来て煙草を燻らせ始めた。


守「龍さん、店大丈夫なの?」

龍太郎「ああ・・・、丁度昼営業が終わる時間だったから「準備中」の札を出して来たんだ。それより結愛ちゃん、ちょっと良いか?」


 龍太郎の言葉を聞いて守は煙草の火を消そうとし始めたが店の中で王麗が止めた。


守「俺、いない方が良いかな?」

龍太郎「いや、大丈夫だ。どっちかと言うといてくれた方が良い。好美ちゃんの事故に関する事だ。結愛ちゃんが知ってたらで良いが、我原 悟と義弘派閥の人間の関与ってあったのかな?」

結愛「これは俺も光明から聞いただけなんだけど悟は茂手木に金を借りてたらしいぜ。」

龍太郎「借金の額は知っているか?」

結愛「確か7000万とか言ってたかな、赤字で経費が足らなくなったって聞いたんだけど。ただその事を隠蔽する為に交錯しているとも言ってた様な・・・。」

龍太郎「引っかかるな・・・、母ちゃん聞いてたか?」

王麗「ああ、もしかしたらビンゴかも知れないね。」

守「待ってくれよ、何で龍さん達がそんな事を調べているんだよ。」

龍太郎「これは秘密にしている事だが、俺達は警察の人間なんだ。」


急に聞いた事で驚きを隠せない守。

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