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夜勤族の妄想物語3 -6.あの日の僕ら2~涙がくれたもの~-  作者: 佐行 院


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3/83

社長らしく登場した結愛。


-③ 社長の裏側-


 まさかのタイミングでの登場を迎えた英雄を間近に見て目を輝かせていたのは、悩みに悩む守や島木ではなくまさかの美麗と桃だった。


美麗「あの・・・、読モの「YU-aゆうあ」さんですよね?!」

結愛「ああ・・・、そうですけど。」

桃「私達あの雑誌のファンなんです、サイン下さい!!」

香奈子「2人共やめなよ、迷惑がってんじゃん。」


挿絵(By みてみん)


 つい2カ月ほど前の話だ、結愛が経済雑誌の「今活躍する女性若社長」という企画の取材を受ける為にとあるスタジオへと向かった時、誤って隣の部屋に入ってしまい、撮影スタッフに無理矢理腕を掴まれ着替えさせられた後に中心へと導かれ、挙句の果てにはそのまま撮影が始まってしまったのだが意外と乗り気だった結愛は撮影を楽しんでいたという。

まさか、本当にファッション雑誌に掲載されると思って無かったので適当に「YU-a」という名前を手渡された書類に書いたが故、今に至るそうだ。

 隣の部屋から慌てた取材スタッフが来た時はかなり赤面したらしい、ただ結愛本人は翌月の撮影にも楽しそうに参加して人気投票では上位にランクインしているそうだ。


結愛「今は貝塚財閥の社長としてここにいるんですよ、サインはしますからすぐに席を外しても良いですか?」

美麗「嬉しいです、ありがとうございます!!」

桃「でもそうして守君と知り合いなんですか?」

結愛「守とは高校が一緒なんですよ、同級生でして。」


 ふと「ん?同級生?守の友人?」と思った瞬間、結愛は通称「大人モード」を解除した。


結愛「あー、面倒くせぇ!!お前らは守の何なんだよ?」

美麗「よく遊んでる友達・・・、です・・・。」

結愛「同期なんだからタメ口でいいよ、守の友達は俺の友達だからな。」


 この通称「悪ガキモード」の事はファンの間でも噂になっているらしく、この状態での結愛に会うと幸運になれると言う話も持ち上がっていた。

 桃と美麗は本当に嬉しそうに叫んでいた、しかし今はそれ所ではない。「貝塚技巧」について話し合わないといけない。少し申し訳なさそうな表情をした島木が女性達に近付き結愛に声を掛けた。


島木「社長、申し訳ないのですがそろそろ宜しいでしょうか?」


 「社長」と呼ばれた瞬間、結愛は慌てた表情で「大人モード」に入った。


結愛「あ、島木さん。ごめんなさい。(美麗達に)お前らも協力してくれんだろ、頼りにしてるぜ。」


 結愛は飲んでいたオレンジジュースを取ると守の隣に座った。


聡「社長、珈琲をお持ち致しましょうか。」

結愛「すいません店主さん、実はお・・・、私珈琲が苦手でして。それで・・・、私が取り付けた安全器具を全て工場長さんが売ってしまわれたのですか?「安全第一」で働くのは基本中の基本だと思うんですが。」

島木「勿論です、従業員の安全を守るのは上司である私達の義務です。私自身からも工場長の我原に伝えたのですが。」

守「我・・・、原・・・。」


 身に覚えのある苗字だ、結構寸前に。


結愛「そうだ守、ここの店主である聡さんのお兄さんが「貝塚技巧」の工場長なんだ。」

聡「すまない、黙っているつもりはなかったのだが。何分、言い出し辛くて。」

守「そうですか・・・、じゃあ好美は店長のお兄さんの酒を呑みに行くための行動で死んだという事ですか・・・。いくら何でも悔しすぎる・・・。」


 あまりにも下らなすぎる理由を聞き、再び涙を流す守。


美麗「私達もだよ、でも守君は悔しさの度合いが違うはずだよね。だから出来る事が有ったら何でも言ってね、協力するから。」

守「ありがとう・・・、美麗メイリー・・・。」

美麗「もう・・・、どっちでも良いから。」


 少しでも元気な姿を見せようとおどけて見せる守、こうやって守に笑っていて欲しいのはきっと星になった好美の願望なのだろうと美麗は思っていた。

 桃も香奈子も一先ず安心していた、さぁ、作戦開始だ!!


まずは作戦会議からではないのだろうか。

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