㉚
銀行からの証言を得ようとする2人。
-㉚ 証言②-
2人が署長室の固定電話から銀行の店長に教えて貰った連絡先に電話をかけると2人にとって懐かしい声が聞こえて来た、どうやら店長も2人と同級生だったらしい。
店長(電話)「お電話ありがとうございます、私店長の弥勒でございます。」
龍太郎「弥勒?聞き覚えのある名前だな・・・。」
銀行の電話に掛けている事を考慮した慎吾は「同級生モード」に戻った、龍太郎はその対応に安堵の表情を見せた。
弥勒(電話)「龍さんじゃないか、今日は出前なんて頼んでないぞ。」
龍太郎「すまんが別件なんだ、最近お前のいる店舗に警察官が行かなかったか?」
弥勒(電話)「ああ、来たよ。確か署長をしているめっちゃんも一緒に来たはずだぜ。」
慎吾「実はその事で電話したんだ、捜査に協力して欲しいから警察署に来れないか?」
弥勒(電話)「俺は良いけど、どうしてそこに龍さんが?」
龍太郎「長くなるから署で話すよ、すまんが協力してくれ。」
数分後、連絡を受けた弥勒が警察署に到着し、すぐさま慎吾が署長室に迎え入れた。龍太郎の秘密を知った弥勒は驚きを隠せない様子だ。
弥勒「何だって?!龍さんが警視総監だって?!」
龍太郎「みろちゃん、声がでかいよ、内緒にしているんだから。」
弥勒「悪い、でも驚かない奴なんていないはずだぜ。」
龍太郎「そうだな、それが普通か。さてと・・・、本題に入ろう。これはめっちゃんがお前の所から借りた監視カメラの映像で間違いないか?」
弥勒「ああ・・・、俺も出勤していた日だ。間違いないよ。」
龍太郎は預け入れのあった時間まで映像を動かした、窓口と行き交う客達がずっと映っている中で大きな重箱を持つ男性が映りこんだので龍太郎はその男性を指差した。
龍太郎「「義弘の代理人」として金を預け入れたのはこの男で間違いないか?」
弥勒「ああ、そいつだ。あまりにも高額だったので俺も一緒に窓口で対応したから間違いないよ。」
龍太郎「そうか・・・、分かった。そうだ、お前が知っていたらで良いんだがどうして「義弘」名義の口座に金が集まっているんだ?」
弥勒「どうやら、「義弘」派閥の株主たちが使っている口座らしいんだ。俺も結愛社長と協力して敢えて泳がしてる。そうだ、思い出した事があるんだ・・・。」
龍太郎「どうした?」
弥勒「この男ってこの直後に行方不明になったって聞いたけど本当なのか?」
龍太郎「うん・・・、俺達も今探しているんだが全く情報が無い・・・。まさか・・・、この為にあんな事を・・・。」
龍太郎は弥勒から聞いた情報により体を震わせ、拳を握って怒った。
龍太郎「あの野郎・・・、よし、例の実行犯を取り調べるぞ。」
その直後、龍太郎は再び岡持を持って取調室に入った。
犯人「またあんたか、俺から話せる事はもう無いぜ。」
龍太郎「そう言うなって悪かったよ、今日は特別に刻み叉焼を多めに入れておいたから許してくれよ。」
犯人「分かってるね、それで何を聞きたい?」
犯人が炒飯に食らいつくと龍太郎が改めて切り出した。
龍太郎「お前が手紙を受け取ったのはいつだったんだ?」
犯人「車を走らせた2日前だよ、今から丁度1週間くらい前かな。」
龍太郎「例の封筒は本当に直接受け取った訳では無く郵便受けに入ってたんだな?」
犯人「ああ・・・、嘘じゃない。」
犯人の言葉を信じた龍太郎は「あの男」の写真を見せて敢えてもう1度確認した。
龍太郎「「この男」に見覚えはあるか?」
犯人「誰だそれは、何処かのお偉いさんか?」
龍太郎「そうだ・・・、今は言えないが後々分かるだろう。」
犯人は本当に雇われただけで何も知らなかったらしい。
犯人「なぁ・・・、お偉いさん。後は何を聞きたいんだ?」
龍太郎「いや、もう大丈夫だ。正直だったあんたの刑は大分軽くなるだろう。」
少し安心した(?)実行犯。




