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夜勤族の妄想物語3 -6.あの日の僕ら2~涙がくれたもの~-  作者: 佐行 院


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20/83

龍太郎は娘に秘密を打ち明ける事にした。


-㉑ 暴露-


 流石にこれ以上は黙っている訳にも行かないと思った龍太郎はいい機会だと思い真実を美麗に伝える事にした、しかしその為にはある事実を暴露する必要があった。


龍太郎「美麗、ずっと隠しているつもりは無かったんだが父ちゃんと母ちゃんには夫婦以外での関係があるんだ。」

美麗「夫婦以外の関係ってどういう事?」


 そこに偶然居合わせた王麗が口を挟んだ。


王麗「父ちゃんと母ちゃんはここで中華居酒屋をしている裏で警察として動いていて、実は上司と部下の関係でもあるんだよ。父ちゃんは警視総監で、母ちゃんは警視。」

龍太郎「実は今日も暴走車事件の取り調べに行ってたんだ、父ちゃんと母ちゃんが行方を追っているある人物に関係があるって聞いてな。」


 龍太郎は美麗の指紋が付いてはいけないと手袋を渡して犯人から押収した手紙を差し出した、手紙を受け取ると美麗はゆっくりと開いた。


美麗「読んで良いの?」

龍太郎「ああ・・・、ただ機密書類だから静かに読めよ。」


 美麗は開いた手紙をゆっくりと黙読し始めた、手紙にはこうあった。


この手紙を受け取った君へ


 君がずっと金に困っているのは明白だ、この札束が欲しければ駅と警察署の近くにあるレンタカー屋から車を盗みロータリー周辺を走り続けろ。

 勿論、信号が赤でも無視して走れ。私の言う事が聞けないならその金は返して貰う、今の君にはとても出来ないと思うがな。


 パソコンで作成された手紙の下部に記載された名前を見た美麗は驚きを隠せなかった、手紙を持つ両手が小刻みに震えていた。


挿絵(By みてみん)


美麗「貝塚・・・、義弘・・・。」

龍太郎「そうだ、守達が通っていた高校で散々好き勝手したあいつだよ。今は行方不明とされているが、父ちゃんと母ちゃんはずっとあいつを追っているんだ。学生達と親しくしている理由はあいつらが好きだからってのもあるが、内部の情報を密かに手に入れる為だ。」

王麗「守君のお母さんがちょこちょこ弁当を買いに来ているだろ、あれも実は荷物の中に紙を忍ばせて互いに情報を交換し合っていたんだよ。」


 目の前で展開される話について行けていない美麗は、2人を急いで止めた。


美麗「待ってよ、話が早すぎて訳が分からない!!」

龍太郎「そうだな・・・、すまん。じゃあ今美麗に言える最新の情報を言おう、実は好美ちゃんが亡くなったのも義弘が関係しているんじゃないかと踏んでいるんだ。あいつには理事長時代から贈収賄の罪があるからな。」

王麗「亡くなる少し前にあの工場で起こったトラック大量消失事件も関係ない訳じゃないって思っていてね。」


 スラスラと話す2人の前で美麗は表情を曇らせた。


美麗「ねぇ・・・、1つ聞いて良い?」

王麗「可能な限り答えるよ、どうしたの?」

美麗「亡くなった好美は報われるのかな、安全対策は「わざと」外されたって事だよね?」

龍太郎「俺達はそう踏んでる、きっと守や好美ちゃんの無念を晴らしてやる。」


 脳内を好美との思い出が走馬灯のように駆け巡った美麗は涙を流し始めた。


美麗「パパ・・・、ママ・・・、好美を・・・、私の大切な友達を必ず助けてあげて。」

王麗「こっちにおいで、美麗・・・。」


 美麗は母の温かな胸に抱かれた、龍太郎は2人を包む様に肩を抱いた。


龍太郎「俺達は決して義弘を許したりはしない、勿論目的がどうであれ、工場長の我原 悟もな。」


 ほぼ同刻、目の前で守が一瞬体を震わせたので不信に思った真帆は心配した。


真帆「どうしたの、守兄ちゃん。」

守「何でも無い、風邪・・・、引いたかな・・・。」


守は嫌な予感がした。

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