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0.死者は蘇らない
俺はその力をどれだけ渇望しただろうか。
どれだけ無力を嘆いただろうか。
どれだけ努力を積んだだろうか。
"蘇生魔法"。
小さな俺がどんなに研鑽を積んで、どんなに叡智を蓄え、他の魔法を習得しても、その伝説級の魔法の領域には届かなかった。
幼いながら、考察も続けた。
俺自身が死者の気持ちを理解すれば、それを習得できるかもしれないとか考えて、一度自殺を図ろうとしたが、多くの人間に止められた。
神への信仰を積めばその領域にたどり着けると考え、一度こっそり教会に弟子入りしたこともあったが、家柄上すぐに連れ戻された。
それらの経験を踏まえ、俺に突きつけられたのは、悲しい現実だった。
死んだ者は、蘇らない。