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2回転目:初回が先月ってマジですか?

ネタ不足は即興で補っていけ(バカ)

 はいどうも、棒を回す借金奴隷のキュルネです。昨日は…何説明しようとしてたんですっけ?ご飯食べて寝たら忘れちゃいましたね。まぁいいでしょう、誤差ですよ誤差!


『ほら見てくださいこの顔!こんな面白い顔してるんですよ、美味しくないわけないじゃないですか!』


 さて、食用マンドラゴラの食レポしてる魔電視機(マギビジョン)をぼんやり見ながら通勤のための準備を…そうでした、休みでしたね今日。

 ちなみに曜日は白、赤、蒼、碧、金、地、天の7日でループしてます。異邦人曰く「月の数はともかく諸々の周期が同じで助かる」とのこと。ここだけの話、チキュウは月が1つだけらしいですよ奥さん。


「天曜日…散歩しますかねぇ」


 てな訳で食われたマンドラゴラを見終えたところで、魔電視機を消して散歩の準備です。さすがに部屋着のまま出るのはまずい。


■■■


 扉を開けた瞬間襲いかかる熱気、日差し、微妙な湿気…


「はーキレそう」


 'キュルネは キレそうだ!'

 …夏がクソ暑いのを実感する度に何かにキレそうになる女、私。キレてないですよ?キレそうなだけです。

 ですが生まれも育ちもノストレイなこの私、対策方法は分かっているのですよ。ごそごそ…


「帽゛子゛ぃ゛〜゛!あとう゛ち゛わ゛〜゛!」


 異邦人が便利な物を取り出すときはなにやらだみ声を出す文化があるようで、それに乗っかりました。…やりすぎたら喉潰れますよねこれ、あと1人でやると虚しい。

 ともあれこの2つがあるだけでもだいぶマシになります。あとはポッケに汗を拭く用のハンカチ、備えあれば嬉しいですからね!


「さてさてどこに…この時間なら彼らがいるかな?」


 行き先も決めたので出発しましょう。目指すは天曜日限定ここから徒歩5分のある場所です。


■■■


 ある場所には既に先客が4人ほど、その誰もが私より年下ですね。みんな大体10歳。…いや、何も言いませんよ?


「どもー」


「あ、キュル姉!おはよー」


「げえっ、キュル姉!」


「あーいおっはー。今日も元気してるかなー?あとげえって言ったの誰じゃい」


「フィッツ君でーす!」


「ほう、いい子のピスケーちゃんには妖怪飴配りから飴をあげよう。そしてフィッツ君には髪毟りの刑だ、ハゲになる未来に怯えるがいいぞHAHAHA」


「わーいありがとー!」


「ヤメロォ!」


 ケケケ、この髪を売り捌いて返済に…いやしませんよ?毟ると言っても適当に一本つまんで引っこ抜くだけです。乙女の心を傷つけた対価を喰らえぃ。はいそこ、やっすい対価だとか言わない。


「グワーッ!」


「女を怒らせると怖い、覚えておくのだ。で、今日は何をやっているのかな?」


「今日はね、これ!」


 そう言って先程まで遊んでいたもう1人の女の子が私にそれを見せました。これは…


「ほうほう、魔力操作板。良いねぇ」


 魔術も科学も発展しまくったこの世界ですが、魔術の場合はただ詠唱したり印結んだりしてドーン!という簡単なものでもありません。まずは体内の魔力を自分で操作できるようにならないと暴発、自滅の危険がありますからね。

 で、そんな魔力操作を子供の頃から自力で覚えれたら良くね?って感じで作られたのが魔力操作板、お値段は1つでジャーキーが1袋買えるくらい。大人用のもありますがそこは割愛で。


「私これ初めてなんだけど、よく分かんない!どうなったら成功なの?」


 今見せてくれた子は初めてだからかちょっと不満げな顔ですね。確か説明書があった筈なので聞いてみたのですが…


「なんか紙あったけど家に置いてきた!」


「おぉうエリン君よ、それないと判断基準分からんだろうに」


「大丈夫、覚えてるから!なんかこう、板がピカーってなれば良いはず!」


「うーーん、まぁ、合ってはいるけど。光らせ方は覚えてる?」


「グッて力込める!」


「oh…」


 光れば良いのは確かにそうです、ただそういう事じゃないんだ。どうやって光らせるかってのも説明書には書いてあったんや…


「こうなったらキュルネお姉さんが教えてあげようではないか。てことでリーラちゃん、ちょいと借りるよ」


 見せてくれた子ことリーラちゃんから魔力操作板を借りて説明、の前に1つ手助けをば。

 リーラちゃんの手を取って、その手で【ライト】を発動…の直前で不発に。魔術は不発すると使う分の魔力だけが放出されるのですが、その魔力を間近で体感してもらうことで感覚を掴みやすくするって作戦です。


「わっ!?なんか手の中があったかい!変な感じ!」


「でしょ?その変な感じするものが魔力。んでもってそのよく分からんものが血みたいに流れてるってイメージしてみようか」


「流れてる、流れてる………」


 そう言いながら目を閉じて感じ取ろうとしてますね。他の子達にも同じような事をしましたが、2分くらい経ったあたりでリーラちゃんが目を開けました。


「うーん、よく分かんないかも。ホントにこれで魔力がどんなか分かるの?」


「僕もわかんない!」


「えぇ…」


「なんだよ、フィッツは分かるのか?」


「いや俺もよく分からんけど」


 むむ、やはりすぐには分からないって事でしょうか。私も分かるまで4日ほどかかったのですが、今の3人は萎えてしまったようですね。

 そういえばピスケーちゃんは、と見てみるとこちらは未だ目を閉じた状態で何やら渋い顔をしています。そのまま少しすると、スッキリした顔で目を開けました。これはもしや?


「なんか分かったかもー!」


「マジで!?ピスケーすげぇ!」


「どんな感じどんな感じ!?」


「うーんとね、植物の中に水が通る管があるって習ったじゃん?維管束だったかな、あれが体内に通ってる感じ!」


「ん、んーーー…?イカ、イカなんたらなんて習ったか?」


「フィッツ君、もしかしてまた寝てたの?」


「寝てねーし?ただ少し忘れてただけだし?」


 習ったかどうかの話にズレてますが、なるほど維管束。確かに血管とは違う管が通ってるって感じなので、その認識でも大丈夫ですね。

 というか1日経たずに分かるって凄いですね…ピスケーちゃんにはもしや魔術使いの素質があるのではないでしょうか?

 と、感心してたらピスケーちゃん以外の3人から熱い視線が。ただでさえ天日干しになりそうな私をその視線で更に加熱調理する気かな?カリカリキュルネやでぇ…


「「「もう1回やらせて!」」」


 成功例を見たことでやる気に火が着いたみたいですね。ただここで問題が1つ存在します、それは―――


「やらせたいのは山々なんだけど、私あれでガス欠なんだよね。だから明日…は私仕事だから私がやれるのは来週の天曜だねー」


「「「えーー!!」」」


 そう、私の魔力少なすぎ問題。生活魔法4回スカしたらガス欠という悲しい定めなのです。ちなみにスカで消費量が跳ね上がるわけでもないので本当に【ライト】や【バーン】を4回使ったらその日の魔力営業は閉店ガラガラ。

 ここで無理に魔術を使おうとすると生命力が出た!ゥワオ!てなことになるのでガチで寿命が削れます。まぁ、限度が分かるだけマシですね。

 とりあえず文句をぶーぶー言う子ぶt、子供達を宥めましょうか。


「まぁまぁ、何も私が不発した魔術じゃないと分からないってわけでもないから。他の人にやってもらうか、自力で頑張れば来週には魔力がどんなか掴めるはず」


「むー……分かった!じゃあ次の天曜にまた魔力操作板持ってくるからその時はコツ教えて!それまでに魔力が分かるようにする!」


「「()も!」」


「そんだけやる気があれば十分だよ。んじゃ、私はそろそろ行こうかな」


「あ、またいつもの場所ー?行ってらっしゃーい!」


「「「行ってらっしゃーい!」」」


 おー、門出を祝福されておる。では行きましょうかね!

なお行き先は次やる気になったときの執筆者に丸投げされます。頑張れ次の私


魔力量:大体生まれつきで総量が決まる。めっちゃ頑張れば2割は増えるけど主人公のように元が少なかったら金星に水レベル

なお異邦人は大体5000キュルネを超える魔力量。理不尽が過ぎますね?(キュルネ談)

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