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1回転目:サブタイいりますかね?

超不定期投稿isジャスティス(クズ)

「……」


 200年だか300年前、この星レストナームにチキュウなる星のニホン(ニッポン?)という国から度々人が来るようになった。転生者、または異邦人と呼ばれる彼らの星に魔術は存在しなかったようだが、遥かに発展した科学技術や新たなる視点からの魔術開拓によりこの星は急成長を遂げるが、今も尚2、30年に一度のペースで彼らは突然現れる。

 中には「異世界キターー!チートスキルで無双してハーレム作ってやるぜ!!」などと恥ずかしげもなく言った狂人(イタい人)も存在するので一概に全員が技術発展に貢献したとは言えないが、大体は何かしらの形で恩恵を齎す。例えば音楽、例えば魔導具、例えば例えば例えば………


「………」


 さて突然ですが問題です。私は何をしているでしょうか?制限時間は…はいおしまい。短いって?体感だと10秒待ったのでそうでも無いんじゃないですかね?

 と、そこに結構目立つ鐘のメロディが響く。どうやらホタルノヒカリ?って曲みたい。私が生まれる前からあるみたいですが、所謂転生者が持ち込んだ曲なんだとか。


「はいおしまーい。今日もお疲れ様ー」


 おや、珍しく主任さんが労いの言葉を。普段はあまり言わない、というかここに初めて来た時以来聞いたことなかったですが何かあったのでしょうか?


「うぃー、声がけするなんて珍しいですねアルマーさん?」


「そんな珍しい…珍しいか。言ったの半年ぶりくらいだし、それもキュルネさんが来た時かな?もうそんな経つんだねぇ」


「あー…」


 そうか、もうこの仕事始めてから半年になるんですね。やり甲斐のある…かどうかは別として、苦にならないからあまり気にしてませんでした。いやそうではなく。


「で、なぜ半年ぶりに声がけを?」


「それはねー、上のお偉方が『挨拶月間とやらを導入したから宜しくね!』との事ですわ。面倒だねぇ」


「はぇ~…ところで進捗はどうですか?」


「うーん、ぼちぼち?まあ締切もだいぶ先だからこんなもんでいいかなぁ」


 そう、主任のアルマーさんはどうやら小説家も副業でやってるようなのだ。私の監視時間をつかって執筆してるみたいだから監督責任?的なのがどうなのかなーって気持ちはあるけど…損するのは私じゃないからいいか。

 ん?結局なんの仕事をしてるのか?それはですね…


「というかこの仕事半年も続ける人自体稀なんだけど、そんなにこの棒回し楽しい?キュルネさん」


「あ、先に答え言わないでくださいよアルマーさん。まあ、適度な運動になりますし本読みながらでもやれますから…お給金もそこそこ貰えますし」


「答え?」


 言われましたね…はい、ということで正解は棒回しです。より正確に言うならば、「古くはキャプスタンやピストリヌゥム、そして北○の拳とかでも使われた奴隷が回す例のアレ」だそうで。転生者の方々は不思議な知識を持っているものですね?

 なぜ私がこの仕事をしているのかと言えば答えは簡単、奴隷になったから。とは言っても、何か罪を犯したとかそういう訳ではありません。

 奴隷の種類は、犯罪・戦争・借金・労働の4種類に分けられます。犯罪奴隷は殺人や強盗をした人が、戦争は敗戦者が、借金はその名の通り、そして労働は精神疾患や孤児などの少々特殊な事情を持つ人がなります。まぁ私は借金奴隷だから前科も特殊な事情もないモブ奴隷なんですが。


「そういえばキュルネさん、今日これから雷雨になるみたいだけど大丈夫?髪とか濡れないようにね、借金奴隷にしては身なりとかしっかりする方でしょ君」


「それはまぁ…ザ!奴隷って感じの薄汚れた見た目よりはせめて真人間の見た目な方が良いでしょうし」


 どこの国でも大体同じですが、ここノストレイでも奴隷は大体薄汚れた見た目です。お風呂入るのが週2だったりするならそりゃそうなるでしょうって感じではありますけど、私はそんなの嫌なので毎日入ってますね。なんなら衣服も一応7着準備してあるので毎日ちゃんとした服で働いてます。

 え?借金した奴隷なのにそこそこ良い身分じゃないか、というかそれもう平民じゃないか?…ソウデスネ。


「いや、なんなら現状の稼ぎならキュルネさん一般市民に戻れるよね?発魔所の棒回しってそこらの奴隷よりかなり稼げる仕事ではあるし」


「なれるかもしれないですが、ある種の戒めとして私はこの仕事をやってますから…まぁ仕事内容が楽だから現状維持の方が良いってのもあります。今更嫌ですよ、好きなことやりながら歩くだけでお金貰える仕事を手放すの」


「キュルネさんからしたらそうだろうねぇ。今だと眼鏡型通信デバイス(ゲイズフォン)あるし、歩きながら読書も可能だから苦行では無いだろうし」


「はい、アルマーさんもどうです?○ャンフ□とかオススメですよ」


「いやー、そうしたいけど執筆の方が滞っちゃうからね…てか名前出しちゃって大丈夫?」


「監視カメラありますけど、それも録音できないタイプなんですよね?というかヤクの取引してるわけじゃないんですから、大丈夫じゃないですかね」


 主任さんがなにかに怯えるように辺りを見回してますが、何かいるんでしょうか?街中だからレイスの類はいないはずですが…もしやアレですか、ネコが虚空を見つめる的な。フェレンデル、フェレンゲ…どっちでしたっけ?まあいいか。


「じゃ、お疲れ様でーす」


「あっと、少し話し込んだね。はーいまた明日ー」


■■■


「ふいー…疲れた疲れた。歩いてるだけだけど」


 確かに雷凄かったですが、雨の方は大したこと無かったので濡れずに帰宅しました。やっぱり家はいいですね、寝食+お風呂以外でここ使うこと無いですけど。ぶっちゃけ職場の方がここより環境いいのでいっそ向こうで生活したいんですが、お風呂が無いのだけが最大の問題点ですね。あったら早々にこの家出払ってる訳で。


「何入ってましたかねー…お、いつかの夕飯の残り。面倒なのでこれにしましょうかね、はいバーン、からの【バーン】。…寒っ」


 魔蔵庫(マギリフリジレイター)から取り出した今日のご飯を加熱した瞬間部屋が寒くなった気がします。私氷魔術使えないはずなんですが、不思議ですね?

 さて、どうせだから私が借金した理由でも話しましょうか。この身分になる前はここの領主の娘…ということも無く、じゃあ賭博で爆散したかと聞かれればそんな訳もなく。まあ簡潔に言えば詐欺師に有り金全部スられたので、こりゃあダメだ死んでしまう!って事で本格的に手遅れになる前に自分から奴隷落ちを選択しました。こうすれば最低限の職場を確保できますからね、まあ就職先選べないんですけど。


「いただきまー…うーん美味い。これ作った時の私、天才では?」


 また作り置きしておきましょうかね…この美味しさは罪ですよ罪、犯罪奴隷として私に食べられる刑を執行します。

 で、なんでしたっけ?今食べてる料理の作り方?……あ、違いますかそうですか。

 うーん…話すのが面倒になってきました。美味しいご飯の前には思考能力も低下するってもんですよ。てことで、次気が向いた時にでも続きを話しましょう、私の中の私達も全会一致でそう決めました。

 え、この後?プライバシーもへったくれもありませんね…これも奴隷だからしょうがない事なのでしょうか。じゃあざっくり纏めます。

ご飯食べた!

お風呂入った!

以上!就寝!

 はい、ではまた今度。

キュルネ(主人公):茶髪の至って普通な町娘Bくらいの容姿、綺麗好き。余裕で借金完済できるけど一応奴隷

アルマー(発魔所棒回し部門主任&小説家):くすんだ赤髪の人。30代前半?あとがき書いてる作者が性別ハッキリさせてなくて本文を見返す羽目になってる。男かもしれないし女かもしれないけど次までに作者がなんとかするでしょう

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