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入学式

 試験から1週間が経ち、入学式の日が来た。


 寮の部屋の扉の開閉に対して問題は、寮長から魔力を込めた小型のカードを渡されて解決した。



 レナードとユウキは支度を整え、学園へと向かった。


 学園に着いた2人は驚いて校舎を見上げた。前世でいう洋風な格式ある校舎が広がっていた。


「これは凄いね。城塞都市でも見られない建物だねー。」



 ユウキは同意して玄関から入る。すると入学式会場の場所を示す看板が随所に見られた。


 看板通りに進むと一度外に出て校庭を通るようになっており、そこに人だかりが出来てた。



「なんだろう?大きな看板があるけど・・。」


「あれは多分クラス割だな。ちょっと見ていこうか。」


 2人は新入生の雑多の中をかぎ分けて進んで、掲示を見た。



 AからCクラスまでがズラッと並んでおり、一番上にSクラスなるものが名前と一緒に貼り出されていた。


「Sって何だ?すげぇ人数少ない・・・」


 50人ほどの合格者の中から、6人の名前がSクラスに割り当てられていた。



「きっとこれから分かるよ。会場はあっちだから取り敢えず進もうか。」


 こうして体育館のような場所に着くと、クラス別に椅子が用意されていた。

 適当にSクラスの椅子に座ると、アリサがやってきた。


「2人ともおはよう!何かしらね、このSクラスって。」


「「おはよう」」


 2人は挨拶をして始まるまでSクラスの話題で盛り上がった。



 程なくして開会のアナウスが流れると、壇上に1人の男が上がる。銀髪の男で学園長だ。


「皆、由緒ある王都学園に入学おめでとう。私は学園長のノイント・バレルです。これから入学式を始めるが最初に申し上げておく。

 クラスは実力の高いものから割り振られている。今期の入学者の中にSクラスがあるが、これはその枠に収まらないと判断された者達だ。

 4年間精進して王国に貢献してほしい。以上だ。」



 簡潔明瞭とはこの事だとユウキは思った。


 その後は先生や貴族の挨拶などがあり、つつがなく進んでいく。



 生徒会長の挨拶となり、女性が壇上に上がった。


 金髪の髪をストレートに落とした端正な顔立ちの人だ。彼女は段に立つとお辞儀して話し始めた。



「私は3年の生徒会長エルザです。

 この学園は学力と能力が全てですので、先ずは1年生同士の実力検定試合に向けて精進してください。

 それと生徒会は新入生でも歓迎致しますのでお越しください。皆さまの健闘を祈ります。」


 エルザは凛として壇上を降りた。


 この時レナードがやけにこわばった表情をしているのが気になったが、式の終わりが告げられたため会場を後にした。


 広間に出ると、クラス毎の部屋場所が書かれていた。

 Sクラスは3階との事でそこに向かう。



 クラス部屋に入ると既に3人が席についていた。試験の時にいた貴族風の男ザックとその友人シンシアだ。


(あれ?3人いたと思ったけど、男の方は微妙だったし別クラスか。)



 そして最後は髪を肩まで伸ばした銀髪の少女だった。試験にいたと思うが、見た記憶が薄い。



 3人は空いた席に着くと、先生が入ってきた。


「お前ら試験以来だな!団長のバルトフェルドでこのクラスの担任になった。死ぬ気で頑張れ!」


 笑顔だがゴゴゴゴゴという感じで流れる魔力が恐ろしい。



「俺は忙しいから、来れない時は副担任はナーズがやる。まずは自己紹介からだ。おい、特待生3人からやれ。」


 言われてレナードか最初に立った。


「レナード・ドールです。よろしくお願いします。」


 それに続いてユウキとアリサも紹介し、ザックとシンシアも続く。



 最後に銀髪の少女が勢いよく立ち上がると、親指を立てて言った。


「ボクはルインだよ。何にも取り柄はないけどよろしくです!」



 取り柄はなくてもインパクトは抜群だった。団長も笑顔が壊れていた。


「よし!これからお前らは基礎的な魔法理論から実践的な武術まで全て叩き込まれる!授業は明日からだ。解散!」



 ルインが何の気なしに言った。


「せんせい!時間割は?教書は全部持ってくるです?」



 それを聞いて答えずに壁をドンと叩くと、ナーズはビクッとなって時間割を壁に貼り付けた。


「今すぐ覚えろ。」


 あれか?ここは軍隊か??



 こうして無事に入学式と最初のホームルームは終わった。



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