グライスとの会談(1)
森の中を進むと、ユウキはゴブリンの反応を見つけた。
「あっちにゴブリンが居る。このまま進むと集落だと思うよ。」
それを聞いて3人は警戒感をあらわにした。
ユウキの言うことを信じないわけではないが、今まで信じてきたことは急に変えられない。
進むと三体のゴブリンに遭遇した。
「グガッ、人族!」
臨戦態勢をとるが、ユウキは静かに告げた。
「グライスの友人ユウキが訪ねてきた。と伝えて貰えないかな?」
そこで警戒感を解かず、集落に向き直り移動を開始した。
「ついてこい。」
3人はホッと胸を撫で下ろし、ユウキの後に続いた。
誰一人言葉を発することなく歩くと、ゴブリンが立ち止まった。
「ここが集落の入り口だ。長に話をするからここで待て。」
そこで目を疑う光景が広がっていた。
森を切り開いた広場に幾重にも巨木を柵にして円形状に集落が構成されていた。
柵には隙間が各所に設けられており、通れないが状況を把握できるようになっている。
入り口は関所のようになっていて二体の槍で武装した衛兵が立ち、可動式の門扉が設置されていた。
「簡易の要塞都市だな。」
ボストンは誰に言うでもなく呟いた。
少しすると集落の中が騒がしくなった。
そしてグライスが足を引きずってやってきた。
四人を一瞥すると戦意がないことを確認し、グライスが口を開いた。
「よく来た我が友ユウキ。思ったより早かったな。
それに女子は・・もう大丈夫か?まぁそれも中で話そう、ついて来い。」
4人はグライスの後に続いた。
集落の中は木をそのまま使った木造家屋がある。その中で中心に大きな建屋があった。
大きな建屋に通されると、グライスは粗末なベッドに腰掛けた。
「グライス、今日来たのは僕たちの村の意向を話そうと思ってきたんだ。」
それを聞いてグライスは目を丸くした。
「何?連れがいるから上手く行かなかったとは思ったが、村の意向だと?」
上手く行かなかったとは、戦いの後ユウキはグライスに言った、ゴブリン集落の壊滅と流布する話の事だ。
「言ったことと違うのは謝る。だけど悪い話じゃない。村はグライス達と和平を望んでいる。」




